伴淳の三等校長

劇場公開日:

解説

森田竜男の原作を、「おヤエの身替り女中」の高橋二三が脚色したもので、老教師を主人公に夫婦愛を描いたホームドラマ。「伴淳のおじいちゃん」の永塩良輔が監督し、「蟻の街のマリア」の竹野治夫が撮影した。

1959年製作/52分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1959年6月2日

ストーリー

万年平教員だった山田正太郎が、急に校長に栄転することになった。が、着任してみると、そこは山奥の分教場で、校長・先生・小使と三役兼任だった。生徒も殆どが貧しい家庭の子供で、生計を助けるために欠席がちだ。その上、新任校長の買収に失敗したボスの三五郎や元村長の仙吉から邪魔者扱いされた。正太郎は妻のきくとはかり、乏しい貯金をさいて校舎の補修や自給自足の給食を始めたりした。ボス連中の妨害はしつこくなり、きくも遂に辞退を勧めた。が、正太郎はこの分教場に骨を埋める覚悟だった。集団中毒が発生したとの報があった。給食が原因と早合点した正太郎は辞職を決意したが、実はボスらの悪企みだった。ようやく正太郎の誠意が通い、村人たちも協力し出すようになった。源三が出所して来た。源三は三五郎の選挙違反の罪を引っかぶって服役していたもので、三五郎、仙吉が共謀して学校の予算を着服していることを暴露した。二人は逮捕された。--正太郎は裏山の分教場へ異動を命じられた。大学を出た県会議長の甥が赴任して来ることになったためだ。出発の朝、村人が日の丸の小旗をもって集落の外れの道に並んでいた。が、それは新任の校長を迎えるための人たちだった。晴れた高原を、親子三人は引越し荷物とともに牛車に揺られていった。

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