唄ごよみ出世双六
劇場公開日:1959年5月13日
解説
「少年探偵団 敵は原子潜航艇」の小川正の脚本を、新人第一回の山崎大助が監督した歌謡時代劇。撮影は「ゆうれい小判」の杉田正二。
1959年製作/69分/日本
原題または英題:Adventure of Dreamy Singer
劇場公開日:1959年5月13日
ストーリー
榎長屋の唄うたい、長次は夢からさめた。お城の殿さまが小判の山を積み上げて長屋の借金を払って下さるという夢だった。店子が家賃を払わないので、大家の源兵衛は穴ウメに札差松戸屋伝左衛門から三十両を借りた。その金をカタに長屋の全員が立退きを命じられていたのである。大家は大道易者になった。客一号は青侍--実は大名行列を抜け出した池田藩の若殿、池田宗泰であった。伝左衛門はやくざの権九郎を使って長屋を襲ったが、長次の抵抗に会って退散した。宗泰は権九郎一味にもぐり込んだ。松戸屋の女中おときが逃げた。おときを救いに来た長次を助けて、宗泰は一味とわたりあった。おときから池田江戸家老、安藤民部の悪事を知らされて、宗泰は驚いた。おときの父は民部のため非業の死をとげた。おときは父の仇を晴らそうと松戸屋に忍び込んだところを発覚したのである。宗泰とおときは長屋の居候になった。おときと長次の間に恋が芽生えた。権九郎一味は再び長屋を襲った。しかし抵抗も強かった。長次、宗泰、おときを先頭に、長屋の人々、町の人々も交えて松戸屋を襲った。衆愚の暴動とたかをくくっていた民部は、先頭に立つ宗泰を見ると、発狂して自害した。伝左衛門、権九郎もかなう相手でなかった。侍姿の長次とおときに送られて、池田藩二十二万石の大名行列は榎長屋を去って行った。