恐怖の罠
劇場公開日:1959年4月17日
解説
麻薬取締官が主人公のサスペンス・ドラマ。「おヤエのママさん女中」の高橋二三の脚本を、「絶海の裸女」の野村浩将が監督し、古泉勝男が撮影した。
1959年製作/63分/日本
劇場公開日:1959年4月17日
ストーリー
クラブ“ステラ”の社長野原とジョーカアの健はチンピラ時代からの兄弟分だったが店にマキと云う女が来てからはどうもうまくゆかなくなった。マキは二人への復讐のために来たのだが二人は知らない。ある日一人の得体の知れない男が警官に追われて店に逃げ込んだ。彼らの扱う麻薬の秘密を案じた野原は抹殺を計ったが思いなおしてこの男を仲間に引き入れた。男はその日から“風公”と呼ばれたが彼は実は厚生省の麻薬取締官だったのである。数日後麻薬取引の電話があった。かねて健をバラす機会を待っていた野原は石田に麻薬を乳糖と入れ換えさせて健にその偽麻薬を届けさせた。事の次第を知った風公は今ここで健を殺しては麻薬取引の一網打尽が期せぬと後をつけ健の危急を救った。健の死を確信する野原は一人マキをねらったが、マキはその手にはのらず逆に野原を麻薬取引に誘う。それと云うのは昔マキの恋人、税関吏の早田が野原と健の手で麻薬取引に誘惑され果ては殺害されたことの復讐からであった。野原と別れたマキは風公にも話をもちかけた。チャンス到来と風公は直ちに警察当局に手配を頼み素知らぬ顔で取引に参加した。取引が終ろうとする瞬間、マキは風公の応援で卓上の拳銃をとり上げその場を制圧したが、とび込んで来た健に拳銃を奪われた。しかし健が拳銃を持ちかえんとした一瞬、マキは再び奪い返して野原と健に銃口を向けた。が、風公の銃弾がマキの拳銃を吹きとばした。風公はマキに殺人を犯させたくなかったのである。そのためマキと風公は絶体絶命のピンチに追い込まれたが、その時手配しておいた警官隊が駈けつけた。そしてマキは今は厚生省の麻薬取締官と分った風公にさびしく背を向けるのであった。