隠密変化
劇場公開日:1959年4月24日
解説
高木彬光の「隠密独眼流」の映画化。「裸女と殺人迷路」の渡辺祐介と「女吸血鬼」の中沢信が共同で脚色し「剣姫千人城」の加戸野五郎が監督した。撮影は「裸女と殺人迷路」の山中晋。
1959年製作/83分/日本
劇場公開日:1959年4月24日
ストーリー
大阪夏の陣が終って二五年、徳川の天下は太平に見えたが、豊家真田の残党等は鳥居因幡守と結んで家光殺害を狙っていた。寛永寺で家康の追悼法会のあった日、一党は大胆にも家光を襲った。その場にかけつけて、柳生十兵衛と名のって家光を助けるごとく振舞った怪しい人物があった。十兵衛の父但馬守はこれが偽物であるのを見破って小柄を投げつけた。妖術がとけて正体を現したのは白髪の疾風道人、実は霧隠才蔵の血をひく島左近であった。その頃本物の十兵衛は矢場のお秀を相手に酒を飲んでいた。父但馬守に家光守護を命じられた彼は、ある夜、家光に変装して神田川のほとりを歩いてみた。案の定豊家残党の一味は襲撃してきた。十兵衛の柳生流秘術は一味を次々に斬りすてたが、彼も短銃の狙撃をうけ川中に転落した。一味の因幡守は十兵衛の死が信じられず、矢場のお秀を人質にとらえた。これを見たのが、川におちた十兵衛を救けた庄太だった。彼は一度は一味の根城光福寺に捕えられながら、逃れて十兵衛に急を告げた。十兵衛は単身根城にのりこみ、一味の小百合をとらえて刀をつきつけ、自分を守りながら疾風道人に肉迫した。甲賀・伊賀隠密組の一隊も乱入して、十兵衛に助力した。かなわじと見た一味は本堂に火をかけて逃れてしまった。一敗地にまみれた一味は、今度は江戸市中に火を放つとの書状を但馬守のもとに送った。そして市中の警戒に旗本達を城から引きだし、手うすとなった城内に家光を襲うのが疾風道人の計画だった。当日がきて、市中に出た十兵衛は、書状に予告してあった刻限になっても平静な町々の様子を見て計られたのを知った。城内では腰元に化けた小百合をはじめ一味が家光に迫っていた。あわやという瞬間に、かけつけた十兵衛は、今度こそ疾風道人の一味総てを、討ち果すことができた。