ワンマン今昔物語

劇場公開日:

解説

大蔵貢の原作を「カックン超特急」の共同執筆者・松井稔が脚色し、同じく「カックン超特急」の近江俊郎が監督したコメディ。撮影は「坊ちゃんに惚れた七人娘」の岩橋秀光。

1959年製作/80分/日本
劇場公開日:1959年3月20日

ストーリー

会社を殖やすことだけに生き甲斐を覚える、男やもめで女嫌いのワンマン社長豊臣家成は今日も重役陣を叱咤中である。重役といえどもこの社長の云うことに逆らったら立ちどころにクビになる。そこで石田専務は夫人と相談し、社長を軟化させれば、と歌麿の美人画を蔵に探しに行く。一緒に発見したのは「豊臣家出世遺訓」である。専務から巻物を読まれた社長はその昔ありし日の先祖の姿を思い出した。戦国乱世の頃、今川義胤を倒した豊臣秀康は、美人の誉れ高い義胤の奥方お佐和の方にぞっこん惚れてしまい、間もなく側室十五、六名、子や孫は五十人近くにもなったのである。瓢箪の数は戦に勝った数ではなくてなで斬った美女の数だと知った社長はまさしく驚いた。先祖の遺訓だからとけしかける専務の云うことに社長はいやいや従わねばならなくなりバアでは女給、料亭では若い彼氏のいる芸者、風俗嬢やドライ娘にも執心してみたが、大体がやり馴れぬことて社長は事毎に失敗。或る日社長は廊下でふとぶつかったつつましやかな女事務佐和子が一目で好きになった。早速佐和子の父を守衛から庶務課長にひき上げ、専務夫人も側面から友人佐和子を説得したが、佐和子の気持は動きそうもない。必要なのは真心だと気づいた社長は、車に跳ねられた佐和子の弟俊坊を病院に送り一睡もしないで看病した。「社長さんってとても親切でいいんだけどあの髪と禿が気になるッ」と佐和子がなにげなく口走ったことを俊坊から聞かされた社長は、若返り手術を施すが、誰も社長と気づかず「社長さんはどこですか」と聞き返す始末。かくて社長と守衛の娘は結婚へゴール・イン。それから二十五年後、じいさんばあさんになった二人は、息子夫婦の新婚姿を感慨深く見守っているのである。

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