名づけてサクラ

劇場公開日:

解説

筒井敬介のNHK芸術祭参加放送劇を、「森と湖のまつり」の植草圭之助が脚色したもの。「これが最後だ」の斎藤武市が監督を、「第三の死角」の藤岡粂信が撮影を担当した。

1959年製作/94分/日本
原題:Her Name Was Sakura
配給:日活
劇場公開日:1959年3月3日

ストーリー

ハーフの東サクラは、養育所“聖ホーム”から黒人の家庭に引き取られ、アメリカへ渡った。しかし、黒人の養父母はサクラを牛馬のようにこき使って愛情のかけらすら見せなかった。“マミーに逢いたい、日本にいる本当のマミーに逢いたい”そう思うとサクラは矢もたてもたまらず、フランスの貨物船にもぐり込み、日本に帰って来た。サクラは横浜へ着くとまっ直ぐアメリカで親切にしてくれたオンリーのユリの家へやって来たが、彼女の現在の夫が白人で、黒人を毛嫌いするのでユリの家に落着いているわけにゆかなかった。“聖ホーム”の院長も密航と聞いて、なんとかアメリカへ追いかえそうとおろおろするばかりだった。すっかりしょんぼりしてしたサクラをなぐさめるのはオンリーのユリやマリ、ハーフのトランペッター幹男だった。そしてサクラのいじらしさに、ユリはサクラの本当の母親を探し出そうとした。やっとのことで見つけたユリの母京子は“確かに覚えはあります。しかし、まるで交通事故みたいに黒人兵から襲われたのです”ととりつくしまもない冷たさだった。そんなことを知らないサクラはやはり本当の母を求めてやまなかった。そんなある日、サクラは街で会った黒人兵にはじめて親切にされ、きっと自分のダディもあんな人だと思った。しかし、あまりにも母を恋うサクラを見たユリは、京子にもう一度会ってくれと電話すると、意外にも会うとのことだった。しかし、ついに京子は来ず、前後の見さかいのなくなったサクラは一人で京子の家に行った。「私のママ」と飛びつくユリをつめたく突き放した京子は警察にユリを渡そうとしたが、悲しく泣き叫ぶユリに、京子の母性ははげしくゆさぶられた。消えてゆくパトロールカーに、「サクラゆるして!」と京子は泣きくずれるのだった。

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