勢揃い江戸っ子長屋
劇場公開日:1958年12月20日
解説
大江戸千両祭に次いで作られた宝塚映画の娯楽時代劇。「底抜け忍術合戦」の淀橋太郎と「大江戸千両祭」の蓮池義雄が共同で脚本を書いた。監督は「底抜け忍術合戦」の斎藤寅次郎、撮影は「お笑い夫婦読本」の西前弘、音楽は「大人には分らない・青春白書」の宅孝二。三木のり平・有島一郎・柳家金語楼・南都雄二・ミヤコ蝶々などが出演。
1958年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年12月20日
ストーリー
浅草田原町にあるキンチャク長屋は貧しいが人のよい江戸っ子達の集りである。鳶職の梅助夫婦、魚屋の雄吉夫婦、大工の半次、半次の親方竹次郎が昔、女道楽の末捨てたお米親子、傘張りの内職でくらしている浪人の六平太などである。大家の近江屋幸兵衛は眼病を患いながら仕立物でほそぼそとくらしているお米から家賃のカタにあずかりものの反物を持ってゆこうと云う強欲もの。この近江屋の番頭、清蔵はお尋者の悪党般若の鉄と組んで近江屋の乗っとりを企んでいる。二人は新興家教宇宙教の教祖と名のり、本部建設と称して長屋の土地を貸してくれと幸兵衛にたのむ。その悪企みに気づかない欲深い幸兵衛は金に目がくらんで承諾する。それを聞いてしまったのが長屋のつまみ者の馬吉、しかし口止料として五百両請求した清蔵に、その夜毒殺される。しかしコソ泥の能五郎がそれを見ていた。さて翌朝は発見された馬吉の死体に長屋中は大騒ぎ。大屋の幸兵衛からもらった葬い代で酒よ肴よと長屋の一同が騒いでいる所に、長屋とりこわしのために、清蔵がならず者をひきいておしかける。てんやわんやの中で、馬吉はさわぎのはずみに、毒薬をはき出して生き返る。そしてコソ泥の熊五郎から清蔵の悪事を逐一知らされる。やがて馬吉の証言により、新興宗教の悪だくみはすべてが明らかにされた。清蔵達は一網打尽となった。浪人の六平太は武芸師範として御門家に仕える事になった。長屋の人々の好意で、お米親子と竹次郎も元のサヤにおさまった。やがて満開の桜の下で長屋の連中が幸兵衛を囲んで飲めや唄えの花見の宴をひらいていた。--むろん竹次郎親子の幸せそうな姿もまじっている。