血文字船

劇場公開日:

解説

ミナト横浜に起った婦女誘拐事件の真相を究めんと、単身南京街に潜入した剣士の活躍を描く時代劇。伊藤大輔の原案を、柳川真一が脚色、「東海道の野郎ども」の田坂勝彦が監督、「人肌孔雀」の相坂操一が撮影した。「日蓮と蒙古大襲来」の勝新太郎が主演するほか、小野道子・浦路洋子・岩井半四郎などが出演している。

1958年製作/84分/日本
劇場公開日:1958年10月27日

ストーリー

幕末の開港地・神奈川の南京街の商館の一室で、拳銃が発射されたが、祭の爆竹の音で誰も気づかなかった。殺された男は三浦という通辞である。王は日本人でありながら唐人に化け、表向きは貿易商だが、女を海外に売りとばす国際誘拐団の首領なのだ。三浦はその秘密を知り、協力を拒んだため消された。流し芸人のお道・チャコ姉妹が通りかかり、彼が死に際に外へ投げた通辞の門鑑を拾った。チャコは下駄の歯がわりにそれをさしこんだ。神奈川奉行所へ、幕府の目付役奥平伊織が密かに婦女誘拐事件の捜査にやってきた。かつて、関東一円を横行した別木竜左衛門の手口とよく似ていたからである。波止場の酒場“みなと”の酌婦・お京は港で会った腕の立つ男にホれこみ、自分の店に誘った。御家人寅といった。来合せた王に彼を引き合わせた。寅は短剣投げの早業を見せた。彼は木賃宿では、同宿のお道の盲を治してやろうと、医者の津川に手紙を持たせてやる男である。王は彼に伊織をバラす仕事を頼んだ。奉行所から伊織の葬列が出た。寅は代償に次の唐人船で日本から連れだしてくれと王に頼んだ。お道は手術をうけ、まもなく目が見えるようになるはずだった。喜んで躍り上るチャコの下駄の歯が抜け、寅の目にとまった。門鑑には「ワン……マンゲツ……フネ」と爪で書いてあった。津川の診察室で寅は殺したはずの伊織と会った。寅こそ王に近づくための伊織の変装だった。伊織になりすましていたのは、友人の大久保左内である。--三浦の妹・由香が主商館を訪ね、兄に面会を求めた。王は彼女を地下牢に閉じこめた。満月の出に、由香をふくむ十三人の娘が唐人船で国外に連れだされようとしているらしい。王のもとに奉行所が動きだしたという情報が入り、船出は中止された。お京は妹を誘拐団のために亡くし、仇をうとうと神奈川へ来たのだった。王の部下に捕ったが、寅が救った。奮戦の最中、お道姉妹が人質としてひかれてき、寅はひとまず海へ消えた。王は伊織が寅であることを知った。寅は唐人船に乗りこみ、手下に化けた。王について、女たちの隠し場所へ案内させる。岸壁の廃船の胴の間が、それだった。寅の変装がバレ、王は彼を縛った。船に火薬を仕かけて逃げた。が、お道がおぼろな目で導火線の火をふみ消した。王は寅を拳銃で撃つが、お京がかばって倒れた。左内たちが駈けつけた。寅は王を倒す。お京は彼の腕で死んだ。--海の見える丘のお京の墓に、旅姿の寅--いや伊織とお道姉妹が別れを告げた。

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