朝やけ雲の決闘
劇場公開日:1959年1月22日
解説
仇討という封建制の古い思想から脱却して、新しく生きようとする男女を描いた時代劇。若衆シリーズの一。菊池寛の原作を、中村定郎、中田竜雄が脚色、「江戸の花笠」の萩原遼が監督、「七人若衆誕生」の服部幹夫が撮影した。「楢山節考(1958)」の市川団子が主演するほか、瑳峨三智子・近衛十四郎・川口のぶ・小笠原省吾らが出演。なお、高田浩吉が特別出演する。
1959年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1959年1月22日
ストーリー
相楽半之丞は、些細なことから竹馬の友・三角市郎衛門をあやまって斬り、自害しようとした。が、立見主膳の計いで、市郎衛門の息子・大市郎が元服すれば必ず討たれてやることを約して、高崎藩に逃れた。十年の歳月が流れて--。大市郎は、若党・六平を連れて相楽を討つべく旅立った。けれど、憎しみもない相手と勝負しなければならぬことを思うと彼の心は暗い。途中、道中師の兄妹、伝吉・おもんに赦免状を入れた胴巻を掏られた。当時、相楽は剣道指南役として評判も良く、門弟の尊敬を集めていた。ある夜、邸内に忍びこんできた六平に、仇討の時と場所をことづけた。当日、江戸の千住大橋で相楽を待つ大市郎と六平は、先生を死なせてはならぬと、血気にはやる相楽の門弟たちに襲われた。急を知って駈けつけた相楽の前には、すでに大市郎の姿はなく、六平の死骸があるばかりだった。大市郎は油売りの浪人・甚内に救われ、彼の娘・お光の看護を受けていた。相楽は、赦免状を渡そうと大市郎を探していたおもんの力で、大市郎にめぐり逢うことができた。だが、なぜか大市郎は人混みの中へ姿を隠した。これを追った相良は、相良を邪魔者に思う国元の藩士・石山、奥村らに襲われたが、辛うじて脱出、おもんの許で静養することになった。が、石山らはそこにも押し寄せる。相楽の危険を知った大市郎は、相楽を助けて刺客を制した。相楽は大市郎に討たれようとしたが、彼が討つ気がないのを見てすかさず切腹した。恋しい人の死に、おもんは泣きくずれた。数日後、見送りに来たお光に、再会を約した大市郎は故郷へ向った。