小さな仲間

解説

三人の幼児の愛情をほのぼのと描こうとしたもの。「お姉さんといっしょ」「お母さんの幸福」などをつくった、母親プロの桜映画社が製作した全六巻。監督は「白鳥物語」(昨年度文部大臣賞受賞)の堀内甲。彼自身と刈谷海夫・勝目貴久とが共同脚本を書いた。撮影は荒牧正が担当。

1958年製作/日本

ストーリー

--東京の下町。ケンちゃん・ヤッちゃん・三ちゃんは、みんな五つか六つの小さな仲間だ。荒川堤で小犬を拾った。小犬はケンちゃんの家・駄菓子屋の店先で飼われることになった。孫好きのおじいさんが小犬をつないでおけば子供の客がふえるだろうと考えたのだ。ケンちゃんは自分のごはんを残して小犬に運ぼうとしたのをお母さんに見つかった。ヤッちゃんのお母さんも三ちゃんのお母さんも二人がケンちゃんの家へ遊びに行くのを禁じた。駄菓子は不潔なようだし、おじいさんがゼンソク、実は“肺病”らしいという噂だからだ。診療所の杉山先生に診てもらうと、やはりおじいさんは結核だった。ケンちゃんにも感染していることが判った。ケンちゃんのお母さんは途方に暮れた。屑屋をして一家を支えるおじいさんに寝こまれ、駄菓子の店もさびれてしまったのだ。親切な杉山先生の意見で、おじいさんを入院させる生活保護を受けようとし、子供は空気のいい故郷へあずけようと思った。そんなとき、小犬が死んでしまい、ケンちゃんは夢中で仲間を呼んで荒川堤へ行った。川べりの草むらに小犬の墓をつくった。通りかかりの大人から教わり、結核に良いというマムシの黒焼を町のマムシ屋に見に行った帰り、三人はビルの上空に美しい夕焼雲を見つけた。“いい空気見つけた”。三人は非常階段を登って屋上に上ったのだ。日が暮れ、大人たちが騒ぎだし、三人は連れ降された。子供たちはケンちゃんが田舎へやられなくともすむように、いい空気を扱わせたいのだとはしゃいでいた。この無邪気な行為にうたれ、町の人々は駄菓子屋一家に温い手をさしのべる。おじいさんは入院でき、お母さんは店を閉め、代りに皆に励まされてリヤカーをひいた。ヤッちゃんと三ちゃんは病気で寝ているケンちゃんの見舞いに、それっと駈けだして行った。

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