旅は気まぐれ風まかせ
劇場公開日:1958年4月16日
解説
「江戸っ子祭」の小国英雄の脚本を、「銭形平次捕物控 八人の花嫁」の田坂勝彦が監督、「遊侠五人男」の武田千吉郎が撮影した時代喜劇。「忠臣蔵(1958)」の市川雷蔵、根上淳、浦路洋子、三田登喜子が主演している。
1958年製作/78分/日本
劇場公開日:1958年4月16日
ストーリー
源太という旅人が、三州無宿三次をつかまえて弟分にしてくれと言った。彼は手品がうまかった。その晩、泊った追分宿の仁兵衛の家で、早速手品を使って金を出し、酒を買わせた。仁兵衛が老齢で、さびれた一家に同情したのだ。その娘お絹は弟の太郎吉を堅気にしようと、自分は男の装いで家を支えていた。--大前田英五郎が兄に跡目を譲るため家出をし、乾分たちが彼を探し求めていた。仁兵衛の元の乾分が問屋場の仙右衛門という新興ボスの盆ゴザを預る賭場へ、三次の頼みで、源太は乗りこんだ。得意の手品で、金をかっさらい、帰ってきた。その復讐に彼らが集っている宿へ、またまた三次におだてられた源太は話をつけに乗込んだ。彼らが斬りかかろうとしたとき、源太はとっさに例の英五郎になりすまし、意気高らかに引き揚げた。皆、あきれた。法印の大五郎も挨拶にきた。お絹はますます彼を好もしく思った。--その夜、源太と三次は夜逃げしようとした。が、土間に仙右門の果し状が--。お絹が気がつき、仁兵衛らと河原へ駈けつけたとき、源太は三次に助けられて、仙右衛門らと闘っていた。大五郎から知らせを受けた英五郎の乾分雁鍋の清六らも加勢し、悪人は滅びた。三次とは--英五郎だったのだ。源太とは--士族の息、やはり同じ事情で家出をしていた。源太は呼びすがるお絹やその弟の前で、一世一代の大手品をした。三度笠と合羽を人型に残したまま、どこかへ消えて行ったのだ。