恐怖の弾痕
劇場公開日:1957年6月26日
解説
下村明原作『突風地帯』の映画化、アクション・ドラマ。「チンドンやの娘」の松浦健郎が脚色、「眠狂四郎無頼控 第二話 円月殺法」の日高繁明が監督した。撮影は「続サザエさん」の遠藤精一。主演は「サラリーマン出世太閤記」の宝田明、白川由美、安西郷子。「眠狂四郎無頼控 第二話 円月殺法」の河津清三郎。ほかに小沢栄太郎、田崎潤など。
1957年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年6月26日
ストーリー
キャバレエ「赤い月」の社長小郷と支配人高城は、裏でひそかに国際麻薬密輸団を操っていた。この秘密を嗅ぎ出して、右翼の暴力団“協友社”の頭領秋原は「赤い月」から軍資金を捻出させようと狙っていた。そこへ、九州の大学を卒業した柔道三段の猛者貴島淳之介が、何も知らずに小郷を頼って上京して来た。小郷は快く淳之介を迎えたが、彼の娘康子は父にも増してこの幼馴染の淳之介の来たことを喜んだ。淳之介は小郷の家から「赤い月」の事務係に通勤するようになったが、康子が次第に彼に魅きつけられて行くのを見て、高城は快く思わなかった。高城は以前から、彼女を口説いていたが物にならないでやきもきしていたのだ。淳之介と康子の仲を引き離そうと、一計を案じた高城は、ためらう小郷に構わず淳之介に麻薬団の首領李から、フィルム罐を受取ってこいと命じた。その帰途、淳之介は秋原の乾分によって錦ケ浦の断崖に連れ出されそこに待ち受けていた秋原に、麻薬を渡せと迫られた。はじめて自分の持っているものが麻薬だと知った淳之介。だが、秋原の鋭い仕込杖をかい潜って放った彼の大業に秋原の体は宙を舞って崖下に消えた。人を殺したという自責の念は淳之介を、康子が驚くほど変らせてしまう。その彼を狙って、秋原の妹玲子はダンサーになって機会を待っていたが、彼の男らしい態度に逆に好感を持つようになった。その間、高城は邪魔になった李を殺した。ある日、密輸団の一人趙が小郷を箱根に呼び出し、李の死体の写真を示し、三百万円で買えと脅迫した。そこへ、死んだと思った秋原を先頭に協友会の一団と、続いて高城たちが踏込んで来た。激闘数刻、淳之介が再び秋原の仕込杖を払いのけ相手を跳ね飛ばした時、康子を攫って自動車で逃げる高城の姿が見えた。淳之介は小郷の車で追跡した。だが、その車には小郷を殺すために、趙が時限爆弾を仕掛けてあった。突然高城の車は山腹にぶつかって動かなくなった。高城はピストルを手に、三百万円入った鞄を持つと、康子をそのままに、淳之介が飛降りた車に乗ってフルスピードで逃げて行った。と、轟音が山間にとどろいた。思わず固く抱き合う、淳之介と康子。高城は時限爆弾に車と共に一瞬にして吹飛ばされてしまっていた。