大江戸風雲絵巻 天の眼
劇場公開日:1957年4月16日
解説
田沼意次の悪政に挑む怪盗の正義とロマンを描いた三村伸太郎の原作より「男の牙」の共同脚色者の一人鈴木兵吾が脚色、「顔(1957)」の大曾根辰保が監督した。撮影は同じく石本秀雄。主演は「伝七捕物帖 美女蝙蝠」の高田浩吉、「男の牙」の田村高廣、瑳峨三智子、「「朝雲暮雲」より 野武士と女」の高峰三枝子。ほかに雪代敬子、大河内傳次郎、松本幸四郎、小沢栄、高野真二、山内明など。色彩は松竹イーストマンカラー。
1957年製作/126分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1957年4月16日
ストーリー
将軍家治の時代。世にいう天明の大飢饉に加えて時の老中田沼意次、意知父子の悪政は、庶民に塗炭の苦しみを与えた。折しも富豪や権力者を狙い、奪った金銭を庶民にばらまく業平小僧なる怪盗が出没した。ある夜、材木商五藤屋へ入った業平小僧は田沼に贈賄する御神馬を奪うが、逃げる途中、旅装の旗本佐野善左衛門にぶつかる。善左衛門は、はっと構えるが業平小僧も隙なく対し、事なく別れる。その善左衛門は翌日千代田城に田沼意知を訪ね、かつて意知が権力で奪った、上州の自分の神社の宝物--御神馬などを返してくれと頼む。しかし、善左衛門の妻雪江に横恋慕し、ふられた恨みのある意知は勿ろん拒む。一方、業平小僧の本名は伊之といい表向きは、妹お美津とべっ甲屋を営んでいた。彼が盗賊になったのは、相愛の津藤屋の娘おしのが色好みの意次に強引に奪われたからであった。田沼の暴政は目に余るものがあり、老中溜の間詰の松平定信も、その打倒を願っていた。定信の叔父で将軍吉宗の孫、玄斎は、ある夜、意知の刺客団に追われる善左衛門を救い、かつて自分の屋敷に乗込んだが、気っぷのよさに放してやった業平小僧に会い彼のべっ甲屋にかくまってもらった。やがて田沼の暴政を怒る町人が一斉に暴動を起した。業平小僧も田沼の邸へ例の御神馬を善左衛門の頼みで取返しに行く。おしのとも一目会うが捕手に追われ、危機を、かねて彼に好意を寄せるスリのお千代に助けられる。二度目の襲撃で業平小僧は遂におしのを連れ出すが、べっ甲屋に戻った二人を見て、お千代は自分の恋を諦めた。一方、田沼は業平小僧捕縛を厳命する。群る補手の中を業平小僧は、おしのを玄斎に預けて逃げる。しかし彼に心底から惚れるお千代の健気な犠牲で独り逃れた業平小僧は、田沼に取入る豪商連を次々と倒した。一方、千代田城内では、田沼の没落を暗示するかのように折から起った日蝕のかげりの中で善左衛門が意知に刃傷、これを倒した。松平定信によって田沼の悪政が追及され、やがて大江戸に再び明るい日が戻った。元の伊之に返った業平小僧も、お千代の墓前に、べっ甲屋としての再出発を誓った。
スタッフ・キャスト
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伊之(業平小僧)高田浩吉
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佐野善左衛門田村高廣
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松平定信初代松本白鸚
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おしの雪代敬子
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お美津市川恵美子
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雪江瑳峨三智子
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りゃんこのお千代高峰三枝子
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田安玄斎大河内傳次郎
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由松北原隆
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末広町の伝八近衛十四郎
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有田源次郎高野真二
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田沼意次小沢栄太郎
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田沼意知山内明
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剣特弥左衛門森美樹
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大川屋大友富右衛門
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近藤屋山路義人
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由右衛門寺島貢
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津藤屋(五平)小川虎之助
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与右衛門左卜全
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将軍家治海江田譲二
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宝蓮院尼夏川静江
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お牧の方水原真知子
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阿部伊勢守永田光男
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水野出羽守野沢英一
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松平周防守藤間林太郎
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牧野備後守南光明
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松平伊豆守永島昭
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酒井飛弾守乃木年雄
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松平対馬守中田耕二
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相模屋富本民平
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荻原長七郎(新番の侍)笹川富士夫
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川井左京(新番の侍)永井邦近
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笹木清左衛門(新番の侍)小林立美
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丹羽家朴(茶坊主)玉島愛造
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奥村長覚(茶坊主)宮武要
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お内儀滝川美津枝
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学者生方功
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田安家の仲間浅岡襄
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由松の友人ヤサカ俊夫
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田沼家家老田中謙三
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五藤屋番頭A宮嶋安芸男
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五藤屋番頭B高見孝三郎
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侍者の長老天野匁一
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伊豆屋光妙寺三郎