世紀の勝敗
劇場公開日:1956年9月12日
解説
全日本選手権をめぐり力と恋が綾なす柔道映画。別冊読切傑作集所載の伍堂徹二の原作から「銀蛇の岩屋 (前後篇)」の内田弘三が脚本を書き、「疾風!鞍馬天狗」の並木鏡太郎が監督、「暴力の王者」の平野好美が撮影を担当。「女真珠王の復讐」の宇津井健、丹波哲郎、「女大学野球狂時代」の江畑絢子、池内淳子、「大学の剣豪 京洛の暴れん坊」の沼田曜一などが出演。
1956年製作/84分/日本
劇場公開日:1956年9月12日
ストーリー
全日本柔道選手権大会を控え、その優勝候補である光彦と健次の一戦は光彦に凱歌が上った。健次は父の取引先であるマルフク商店が設けた道場の師範となるが飽きもせず通うのは春子に一目惚れしたからでもある。一方光彦は下宿の娘由美子にアルバイトの口をみつけてもらったが、そこは偶然にもマルフク商店であった。ある夜春子は土地の不良達に襲われたが光彦に救われた。その御礼に彼の下宿を訪ねたが、光彦と由美子は水上バスに乗って喜々と戯れていた留守であった。会えずに帰る春子は健次に出会う。愛を告白しながら半ば強引に接吻しようとする健次から逃れる春子は、光彦に贈るはずの包みを落した。健次はその中のライターを見て、無気味な笑を浮べた。光彦が堀河で働いている時健次が近づき、光彦の出したライターを見るといきなり投げ捨てた。筏の上に捨いに駈け降りる光彦を健次は執拗に追う。この乱斗で光彦は馘。花火の日春子と健次の両親達は二人を結ばせようと談合した。春子は健次に両親達の勝手さをなじり光彦に相談すべく飛出したが喫茶店で語合う光彦と由美子の姿を見る。大会の前日、前に春子を襲った不良と健次の共謀により光彦は監禁されたが、試合当日危機を脱し危く試合に間に合う。光彦も健次も共に勝進み、遂に二人の決戦、光彦は判定で勝つ。喜びに溢れる光彦のもとへ由美子と春子が駈けつけたが、友人の戸部は春子に由美子が自分の恋人だと紹介し、同時に、由美子には春子が光彦の恋人だと紹介した。その夜の祝賀会に由美子は欠席、帰途光彦の情熱は激しく春子の肩を抱いた。だが、そこには健次と不良達が待っていた。吹きすさぶ烈風の中に秘術を尽して展開される決斗。そばには祈るような春子の眼が光っていた。