折鶴七変化(前後編)
劇場公開日:1956年8月1日
解説
謎の折鶴をめぐって双生児の快剣士が活躍する娯楽時代劇。角田喜久雄の原作から「花の兄弟(1956)」の犬塚稔が脚色、「月夜の阿呆鳥」の安田公義が監督、「祇園の姉妹」の相坂操一が撮影を担当した。主な出演者は「花頭巾」の勝新太郎、黒川弥太郎、「花の兄弟(1956)」の中村玉緒、「月夜の阿呆鳥」の春風すみれ、その他立花宮子、岡譲司、若杉曜子など。
1956年製作/日本
劇場公開日:1956年8月1日
ストーリー
折鶴七変化--江戸の夜浅草寺境内絵馬堂の中で折鶴を検べて歩く武家娘と下僕の姿。二人は覆面の侍に襲われ、下僕は斬り倒される。そこに通り掛った鳥越亭の芸人杵屋春之助。彼は三味線に魅入られ武士を捨てた身で御獄神陰流免許の腕前。彼は覆面を叩き伏せ、娘喜美を救う。喜美は旗本明石大学の養女。重病で臨終間近い大学の後妻千賀は兄太田黒右衛門と計り家督敬太郎を幽閉、お家乗っ取りを企てていた。だが喜美と春之助の前に突然現われた浪人伴周作。彼は神陰流の腕を見せると春之助につめよるが宮番宗勝の出現で事なきを得る。植木職人伍助の許に身を寄せる喜美は、兄敬太郎を慕う腰元楓と折鶴文で連絡していたのだ。春之助は喜美の話を聞き、宗勝やその妹お園共共敬太郎探索を誓う。千賀は敬太郎と爪二つの容貌を持つ春之助を利用、家督と偽り大学から埋蔵金の所在を聞き出させようとする。続折鶴七変化--春之助は、遺言は敬太郎だけに伝えると断言、宗勝の助勢で姿を消す。だが世継ぎ届け出は五日間、春之助、喜美らの苦慮。右衛門は春之助の母お霜を誘拐、春之助をおびき出し遺言を知ろうとする。楓の急報を受けた春之助は西光寺納骨堂の番人巌物から、敬太郎が納骨堂に幽閉されていると聞き急ぎ赴く。春之助こそは敬太郎と双子の弟礼次郎、故あって剣客東鉄斎の養子となったもの。お霜は鉄斎の妻で喜美はその実の娘であったものを大学の養女に迎えられた身の上だった。納骨堂に駈けつけた春之助は一味に囲まれ、危急の場に、大学の遺言は社殿の金色の折鶴に認めてあると告げる。お霜は春之助に協力する宮番宗勝と妹お園の手で太田黒邸から救出されたが、遺言の所在を知った右衛門は社殿に急ぎ折鶴を手に入れた上、埋蔵金の秘められた護持院ケ原に赴く。だが右衛門、千賀ら一味は、そこに駈けつけた春之助、敬太郎達に倒される。総てを知った一同は骨肉の奇縁に驚嘆。やがて鳥越亭で再び三味線を弾く春之助。楽屋には喜美の姿も見られた。