東京バカ踊り
劇場公開日:1956年5月10日
解説
“傑作燦楽部”に掲載された瀬戸口寅雄の原作を、「志津野一平 浴槽の死美人」の柳沢類寿が脚色し、「ドラムと恋と夢」のコンビ吉村廉が監督、間宮義雄が撮影を担当したミュージカル篇。主な出演者は「丹下左膳(1956)」の南田洋子、「ドラムと恋と夢」のフランキー堺、「乙女心の十三夜」の島倉千代子の他、岡晴夫、「地獄の波止場(1956)」の木室郁子など。それに特別出演として月丘夢路、三島耕、大坂志郎、小園蓉子の他、水の江滝子が主役の一人に扮する。色彩はコニカラー。
1956年製作/50分/日本
原題または英題:The Happy Dancers
配給:日活
劇場公開日:1956年5月10日
ストーリー
母ふさ子を追って東京に来た森下ミチ子は、母の住込む理髪店“クラブ”を探して、有楽アーケードの、とある宝石店に入った。そこの美しい女主人は自分も不案内だからと、隣の電気器具店“ライト”の店主矢島の許へ彼女を伴った。矢島の一人娘トミ子の案内で理髪店へ行ったミチ子は、店主岡田から母が辞めたと聞き驚くが、そのすきに彼女の紅いスーツケースを客に化けたスリ、ルパンの金が巧みに奪い取った。元スリのサンドイッチマン、ジェット・キッドの次郎はケースを持った金を喫茶店に連れこんで意見したが、顔見知りの太田刑事に疑われ、二人は催物会場の床下にかくれた。折から“東京バカ踊り”の練習が矢島の指揮で始まったが、スーツケース紛失に気づいたミチ子と太田刑事のため踊りは中止された。ふさ子と親しかった喫茶店“パール”の女給千代子に聞いても母の行方は判らず、ミチ子は落胆した。深夜、次郎と金のひそむ床下に、警官に追われた宝石泥棒が突然、宝石のつまった鞄を投げ込んだので二人は驚いたが、相談の末、先に奪ったスーツケースを外へ投げ出した。そこに通りかかった岡田の手からケースは無事にミチ子の許へ戻った。やがて“東京バカ踊りコンクール”の日。矢島は偶然、会場に来ていたミチ子の母ふさ子を見付けたが、彼女は美容院開設のための虎の子の資金をスリに取られて気絶した。次郎のすすめでルパンの金は全く改心し、二人はスリ達が床下に投げ込んだ財布やハンドバッグを全部、太田刑事の前にさし出した。ミチ子を抱きしめるふさ子の手に財布は戻り、宝石店の女主人も奪われた宝石を取り戻した。ルパンの金は矢島の店で働くことになった。会場では岡田と彼を慕う千代子、矢島と宝石店の女王人、そしてミチ子と母ふさ子がにぎやかに踊り続けた。