劇場公開日 1956年5月3日

妻の心のレビュー・感想・評価

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5.0家族経営と金と不倫

2023年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1956年。成瀬巳喜男監督。地元では大きな薬問屋の内実は苦しく、若い旦那と妻は母親が不服であることを承知で喫茶店を始めようとしている。金策や料理の準備などで忙しくなっていく中、家を飛び出していた長男とその家族がふらりとやってきていついてしまう。
構えだけは大きい店舗兼自宅のなかで右往左往する人々。家族経営の行き詰まりと若い夫婦の苦闘。そしてなんといっても不倫未遂。雨宿りという特別な時間のなかで、しかし思い切れずに未遂に終わる。8年後、似たような家族経営の商店を舞台に、思い切ってしまった男女の不倫が「乱れる」で描かれることになるだろう。二作を比べた時の異同に感動します。どちらも複雑な感情の機微を複雑なまま描くすばらしい作品。

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4.0単純な話なのに最高のサスペンスを生む

2015年4月9日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

家業の薬屋の仕事を継いだ次男坊夫婦。経営が苦しい事から、やむなく店舗の庭を改築して喫茶店経営を考える。
長女は嫁に行き、母は喫茶店に反対している。
するとそこに、東京の長男一家が転がり込んで来る。

それだけの話。

それだけの話なのに、何故にこれほどまでに最高のサスペンスが生まれるのだろうか。
しかも妻の高峰秀子の友人(杉葉子)の兄として、三船敏郎が最高の大スターのオーラを発散させながら登場するのだから。
スクリーンを見つめながら「一体どうなるのだろう…」と、ハラハラしてしまった。

その為に、最後があまりにもあっさりと終わってしまうのには驚きを隠せないのだが、こんな単純な話が最高のサスペンスを生むとは、成瀬巳喜男の演出力には息を呑んだ。

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松井の天井直撃ホームラン