「芸道物語の佳作」流転(1956) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
芸道物語の佳作
花形役者と対立した三味線の名手。
大曾根辰保監督による芸道物語の佳作。
溝口健二監督の名作『残菊物語』
成瀬巳喜男監督の名作『鶴八鶴次郎』
同じく成瀬監督&衣笠貞之助監督の名作『歌行灯』
井手雅人による脚本は、これらの名作映画の良い部分を繋ぎ合わせた様な内容に思える。
実際この作品の後、同じ年にやはり大曾根監督、高田浩吉主演、脚本井手雅人のコンビによって『鶴八鶴次郎』がリメイクされているだけに、単なるあてずっぽとも言い切れない気がする。
悲恋物語として観ると最後がやや唐突な感じがするのだが、作品中には明確に提示しないある事実。
ヒロイン役の香川京子と母親がどうしても教えなかった父親の名前。
そして師匠との恋愛関係及び旅先で知り合う親子…。
流石にこの当時としてこの関係は、若干濁して描かざるをえなかったとゆうことでしょうか。
勿論主人公との対比を目的としているのは明白ではあるし、この2人の恋愛関係の危なさを観客の想像に委ねての事ですが。
ちょっと強引すぎる気がしたのですが…。
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