君ひとすじに
劇場公開日:1956年1月22日
解説
中江良夫の放送劇を「青カ島の子供たち 女教師の記録」の館岡謙之助と「若人のうたごえ」村山俊郎が共同で脚色し、「息子一人に嫁八人」の志村敏夫が監督、「風流交番日記」の西垣六郎が撮影を担当した。主なる出演者は「北海の叛乱」の久保菜穂子、高島忠夫、舟橋元、「息子一人に嫁八人」の宇津井健、「若人のうたごえ」の江畑絢子、「黒帯無双」の相馬千恵子など。
1956年製作/89分/日本
原題または英題:Forever in Our Hearts
劇場公開日:1956年1月22日
ストーリー
二日続きの休日を秋の山中湖に遊んだ津村千秋は、モーターボートにのせてくれた宗方信一の別荘に招かれるが、彼の姉由江の無礼な応待にいたたまれない思いで、淋しく帰京した。千秋は銀座の洋裁店「エトワール」の女店員である。アルバイトにデザイナーもやっている貧乏画家波島隆は、ひそかに千秋を恋していたが、千秋は信一のことが忘れられない。ある日、銀座の舗道で千秋を見つけた信一は姉の無礼を詑び、再会を約して別れた。一方、花房商事社長の令嬢道子は信一の花嫁候補で、それとは知らず道子の仮縫いに出かけた千秋は、居合わせた由江に辱しめを受けて口惜し涙にくれた。叔父夫婦の家に間借りをしている千秋は、道楽者の叔父にいいよられて家を飛び出し、波島のアパートに泊めて貰ったが、次の朝、波島に懸想する「エトワール」のマダム磯子に誤解され、職を失った。傷心の千秋が自動車にはねられたのは、その夜更けのことである。彼女が持っていた名刺から、報らせをうけて駈けつけた信一は彼女を病院に担ぎ込み、入院万端の手続をすませた。やがて退院の日、信一より先に来た由江は、金を出すから弟と別れてくれと迫った。あまりの仕打ちに、千秋は信一の迎えも待たずに病院を出て、蔵王山の麓にある波島の実家に身を寄せるが、ここでも千秋の決心はつかず、ひたすら信一を想うばかりであった。千秋を追って来た信一は、千秋をモデルに画筆をとっている波島の姿に、悄然と引返したあと、波島の母から信一の来訪を聞いた千秋は、求婚する波島に詑びて信一を追った。