勢ぞろい 喧嘩若衆
劇場公開日:1955年1月15日
解説
歌舞伎の白浪五人男をテーマとしたもので、川口松太郎の原作から「流れ星三度笠」の村松道平が脚本を書いている。監督は「美男お小姓 人斬り彦斎」の佐伯清、撮影は「新選組鬼隊長」三木滋人が当り、出演者は「紅孔雀 五部作」の中村錦之助、東千代之介、大友柳太朗、「新選組鬼隊長」の堀雄二、「水戸黄門漫遊記 闘犬崎の逆襲」の明智三郎、「紋三郎の秀」の角梨枝子「隼の魔王」の片岡千恵蔵のほか、星美智子、三条雅也、進藤英太郎、中村時十郎などである。
1955年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1955年1月15日
ストーリー
江戸に武士の刀を調べるだけの追剥が出没していた。探索に当った八丁堀同心久保田東平は浅草観音境内へ曲者を追いつめたが、水茶屋三吉野へ逃げ込み姿を消した。曲者は弁天小僧菊之助と南郷力丸の二人組で、日本駄右衛門を頭に赤星十三、忠信利平等と主家松山豊後守の再興を願って、改易の時粉失した家宝の名刀三神丸を探しているのだった。将軍家康のお墨付を三神丸に添えて直訴すれば三万五千石の再興は許されるのだ。松山家の若殿秀之進は妹お琴と共に、刀が持ち返られる日を待ちわびていた。菊之助は易者の言で元服迄女姿で育てられ、今は男姿になったが、そのため女の衣裳がよく似合った。三吉野の看板娘お初は菊之助に首ったけで、彼に自分の着物を着せ女装させて逃した。お初に横恋慕している酒井栄之介は同じ松山家の家臣だった。三神丸の所在を教えるというのでお初は栄之介を我家に招き、隙をみて浜松屋の三神丸の預かり証を見つけた。しかし栄之介はお初を斬って逃げ、待っていた菊之助等が駈けつけた時には浜松屋の一言を残してお初はこときれた。文金高島田の令嬢姿の菊之助と付人の力丸が浜松屋へ行ったが、見破られて居直った時駄右衛門等が踏み込み土蔵の中から三神丸を見つけた。栄之介の注進で捕手に追われたが、菊之助はお初の仇栄之介を斬って逃げた。上野寛永寺将軍家斎御参詣の日、寺小姓に化けた十三の手引と老中土井大炊頭のとりなしで、直訴は聞き届けられた。斬罪を許された駄右衛門、和平、力丸、菊之助は遠島と決り、彼等の船を見送る十三、お琴の眼には涙がうかんでいた。