美男お小姓 人斬り彦斎

劇場公開日:

解説

今東光の原作から「からたちの花」と同じく八住和雄が脚色し、佐伯清が監督に当る。撮影は永塚一栄が担当する。「快盗三人吉三」の歌舞伎俳優中村扇雀が主演し、「喧嘩鴉」の山根寿子、「江戸の夕映」の夏川静江、「平手造酒(1954)」の南寿美子、「お月様には悪いけど」の山村聡、そのほか竜崎一郎、轟夕起子、高田稔、山形勲らが出演する。

1955年製作/93分/日本
原題:My Sword is Sharp
配給:日活
劇場公開日:1955年1月2日

ストーリー

文久年間、細川藩の若侍河上彦斎は人斬り彦斎として幕府側に恐れられる刺客であった。祇園の芸者小雪は彼の許婚昌子に似ていたが、彦斎は人を斬った苦しみを小雪への愛情で慰めようとした。彼は以前から佐久間象山を尊敬していたが、象山が公武合体論の立役者と目されるに至ると、先輩前田や小雪の制止も聞かず象山を斬った。それ以来彼は悪夢に苦悩する身となった。象山の息慶之助は仇討のため新選組に入隊したが、芸者菊栄になじみ仇討を忘れていた。彦斎は長州の奇兵隊に加って闘ったが、次第に自分の行為に悩み、象山の墓前にひれふし慶之助に斬られようとしたが、慶之助の不甲斐なさから斬られる事もなく、再び小雪との愛欲に溺れる。ある日、彦斎は昌子の兄、佐々と同行で三条大橋を通る時、新選組の近藤と土方、沖田の三人に出会った。凄じい殺気。だがさすがの新選組も手が出ず、黙ってすれ違った。然し新選組に狙われ、そのため小雪の体が危くなることを恐れ、彼は旅に出ようとした。暁の加茂河原で、彦斎の鋭い居合い抜きの声が聞えた。それは人斬り彦斎と恐れられた彼自身を斬りすてる声だった。刀を河中に投げすてた彼の頬に涙が光っていた。やがて徳川幕府は倒れ、勤王の志士に凱歌は上ったが、ひとり彦斎は誰にも知られず何処かへ姿を消した。

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