竜虎八天狗 第一篇・第二篇

劇場公開日:

解説

吉川英治の同名の長篇小説を「狂宴」の八木保太郎と「学生五人男シリーズ・第二部 迷探偵出動」の結束信二が共同で脚色し、「大岡政談・妖棋伝 (前篇) 白蝋の仮面」の並木鏡太郎が監督に当り、「右門捕物帖 まぼろし変化」の藤井春美が撮影する四部作。主なる出演者は「三日月童子 (三部作)」の東千代之介、千原しのぶ、「壮烈神風特攻隊」の明智三郎、「お坊主天狗」の時田一男、「蛇姫様(1954)」の島田照男、沢田清、「新しき天」の小沢栄、往年のスタア市川百々之助らである。

1954年製作/日本
劇場公開日:1954年11月1日

ストーリー

第一篇・水虎の巻--慶長十九年、九度山に住む真田幸村の身辺には来喬太郎をはじめ徳川方の忍者がつきまとっていた。高野山青巌院の山頂に家康調伏の四字を鏃に刻んだ金色の呪いの矢を、徳川の隠密東麻、猿川の二人が発見する。二人は更に地中から小箱を発見し山の守り人木食和尚を斬ろうとするが来合せた幸村の一子大助がこれを助け、小箱の中にあった巻物を和尚から貰う。これは豊臣の秘宝扶桑掌握図三巻の一つ水虎の巻であった。これには全国の名城の攻防法、築城法が記され、徳川方に盗まれた鳳凰の巻には全国の金銀銅鉄のありかが記されており、また行方不明の火竜の巻には、この二巻の解説が記されている。幸村が秘かに火薬製造の検分に出発した後、旅の法師蝉阿彌は大蜘蛛に化けて水虎の巻を盗みとる。責を感じた大助と妹奈都女の兄妹は父の許しを受け、三巻を探索の旅に出る。二人は呪矢を作った大津の矢師鳥骨斎を訪れ、もう一本の矢の埋め場所を確かめようとするが、行手には早くも喬太郎の手下蝙蝠銀平や蝉阿彌の魔手が待構えていた。 第二篇・火竜の巻--蝉阿彌に追われた奈都女は六部に身をやつして豊臣再興を志す伊吹塔之助に救われたが、鏃を喬太郎に奪われる。大津についた兄妹は鳥骨斎を訪れたが、彼は喬太郎と蝉阿彌の忍術くらべにまきこまれて絶命する。然し彼が第二の矢の場所を関東、妙義山、三の洞門の岩と絶筆に認めたのを美鈴という娘が見ていた。彼女は鳥骨斎の甥篠切一作の愛人であった。一作はもと石田三成の小姓で、彼も豊臣方の一人だった。大助と奈都女は一作を加えて関東へ向い、途中駿府で東麻、猿川に出合い、城下一杯の大捕物となったが一軒の荒れ屋敷に逃げ、ここで真田一門の剣士千葉小十郎に会う。小十郎は蝉阿彌の誘いにのると見せて彼の正体をつきとめた。彼は徳川、豊臣の争いに乗じて天下を狙う曲者だった。捕手をけちらした大助、奈都女、一作、小十郎は塔之助と再会し共に江戸へ向い、蝉阿彌のかけた罠をはずして江戸は三田の盲屋敷に乗りこみ、まんまと蝉阿彌の手から水虎の巻を取りかえした。だがその時徳川の軍勢に取りまかれ、大助は一巻を奈都女に持たせて逃がしたが、またも蝉阿彌の大蜘蛛が彼女の前に無気味な姿を現した。

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