新しき天
劇場公開日:1954年10月27日
解説
鈴木重吉が久しぶりで監督する映画で、故牧逸馬の小説を「君待船」の笠原良三が脚色し、新人中川芳久が撮影に当る。主なる出演者は「火の女」の山本富士子と北原義郎、「君待船」の林成年、南田洋子、藤田佳子、「荒城の月(1954)」の見明凡太朗、滝花久子、青山敬治、「宮本武蔵(1954)」の小沢栄、「こんな奥様見たことない」の姫路リエ子など。
1954年製作/93分/日本
劇場公開日:1954年10月27日
ストーリー
二十歳に成長した南海子は豊かな原家の長男と婚約も決ったので、父国紀から初めて実母に会いに行く事を許された。母柳子は十八年前、南海子と隆介の二子を残して小此木の許に走った女であった。想像とは余りにかけ離れた派手好みの柳子に、南海子は大きな失望を抱いた。原の会社で造った香島丸の初航海記念パーティの席で、南海子は小此木の息子信也に逢った。南海子の従妹香苗は、愛情のない原との結婚は、考え直した方がいいと忠告する。南海子は信也が柳子のため実母節子を追出されて悩んでいる事を知り、二人の心は急速に近づいた。これに気づいた原は、バアの女鈴子との関係をかくしながら国紀に南海子との結婚式の日取りを繰上げさせた。涙のうちに式は終ったが、新婚旅行は追って来た鈴子に邪魔され、南海子は香苗の家にかくれた。そして信也との恋は深まるばかりだったが双方の親は許さず、信也は南海子を千葉で教師をしている実母節子の許にかくまった。柳子は千葉へ押しかけて南海子を責めたので、南海子は節子の故郷淡路島へ去った。怒った信也は柳子を階段から突き落し、彼女が死んだものと思い、南海子の後を追って淡路へ走った。然し柳子は助かり、この事件で心を入れかえ、信也と南海子は結ばれた。