青空大名
劇場公開日:1953年9月15日
解説
往年「国士無双」等の原作を書いた伊勢野重任のオリジナルを新人結束信二が潤色し、「源太時雨」の萩原遼が監督している。撮影は「残侠の港」の三木滋人、音楽は時代劇に初めてタクトを振る木下忠司「君に捧げし命なりせば」である。出演者は「片目の魔王」の片岡千恵蔵、千原しのぶ、「神変あばれ笠 前後篇」の進藤英太郎、エンタツ、坊屋三郎、「若君逆襲す」の伴淳、堺駿二など。
1953年製作/87分/日本
配給:東映
劇場公開日:1953年9月15日
ストーリー
昔、山賊の一党が住んでいた。首領万右衛門はじめ一人娘の白縫、遠眼鏡の雁九郎、すっとぼけの頓八など、根は無邪気で陽気な生活を続けていた。彼等は或日、追ハギ坊主徳弁に斬られた旅人を助けようとして却って役人に捕えられる風来坊を助けた。その名を鳳介と云い、白縫の下で山賊修業を始めるが、お目出度い鳳介は失敗の続出。一党の中で一人俗臭を漂わせている小頭の虎蔵は、鳳介と白縫の仲のよいのが面白くなく、偶々転りこんで来たジプシー娘千鳥に挑むが、どうやら千鳥も鳳介に惚れた様子。ところがこの国の馬鹿殿様小早川金吾の御用金輸送を眠り薬を用いて奪ってから、俄然鳳介が凄腕を発揮し始める。白縫は大喜びするが傍に同じ気持の千鳥がいるので悲しくなる。悲しみを胸に秘めて千鳥は山を下り、徳弁に追われている所を、馬鹿殿様に救われて側室におさまる。虎蔵も万右衛門を殺して逐電、山賊狩りの道案内をし、白縫を捕えて馬鹿殿に取りいるが、白縫が馬鹿殿の言いよりを拒絶するので、虎蔵は首を斬られる。鳳介は奇手妙策の山嶽戦を展開し、虐げられている百姓達もこれに合流して城内に攻め込み、千鳥の身を捨てての援助で、白縫は鳳介に救出される。今は一そ山賊になりましょうと家中の役人まで加わって、再び気楽な山賊生活が始まる。