若君罷り通る

劇場公開日:

解説

製作は「牛若丸」の杉山茂樹で原作は村上元三のNHK連続放送劇「白面公子・筑波太郎」から「びっくり三銃士」の鈴木兵吾が脚色、「お染半九郎」の冬島泰三が監督に当たったもの。撮影は「月形半平太(1952)」の片岡清。出演者は、「柳生の兄弟」の北上弥太朗、宮城千賀子に、宝塚から新入社の高千穂ひづるのほか市川小太夫、柳永二郎、吉川満子などの助演。

1952年製作/86分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年10月23日

ストーリー

三代将軍徳川家光が没したとき、江戸城内では、正統若君竹千代君を四代に立てるという阿部豊後守に対抗して、大老酒井雅楽頭は自分の娘で家光の側室の生んだ菊丸を無理に四代将軍に擁立しようとの運動をおこした。大勢は強引な酒井に味方しそうに見えたが、この時豊後守の孫娘で、京都の公家鷹司家の娘、伊會というのが酒井大老が京都九條家へ宛てた菊丸擁立の懇願の手紙を手に入れ、酒井大老陰謀の証拠品として江戸へ持参するとの報が伝わった。酒井はいち早く榊原、跡見の剣客を遣わして伊會を箱根の湯治場へ閉じ込めた。伊會と密書の安否を心配した豊後守の苦悩を察した松平長七郎は、立って供廻りと共に箱根に向った。長七郎を親分と呼んでいる女スリのおれんや、歌舞伎役者で長七郎に生き写しの花井左近なども、彼を助けたいとそのあとに従った。箱根の宿では、伊會は狂気をよそおってわずかに敵方の追求の手をそらしていたが、ある夜、長七郎を亡きものにしたと誤認した榊原たちが左近の所作事に見とれているすきに長七郎は湯殿から伊會を連れ出した。そして笛のなかにかくした密書と共に、おれんや左近の応援と、忠僕三宅宅兵衛や酒井が伊會につけた老女皐月の悲痛な死の犠牲などによって、からくも無事江戸へたどり着いた。かくて酒井大老の陰謀はあばかれることになったが、将軍の兄弟でありながらやはりお家騒動の犠牲になった自分の不幸をひき合いにして長七郎酒井をいさめ、事を穏便におさめた。かくて徳川家の安泰を見た長七郎は気ままな旅へと旅立った。

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