三百六十五代目の親分
劇場公開日:1952年9月24日
解説
製作は「お嬢さん社長と丁稚課長」の久保光三。森永武治の原作から「湯の町しぐれ」の中村定郎が脚色して、戦前、「赤城の子守唄」「血煙荒神山」などの作品のあるベテラン秋山耕作監督復帰の第一回作品である。主演者は、「バクさんの艶聞」の川喜多雄二と「柳生の兄弟」の草間百合子で、坂本武、長尾敏之助その他の助演陣とニュー・フェースの鶴実千子が活躍している。浪曲は廣澤虎造。
1952年製作/44分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年9月24日
ストーリー
地方のある小都市での出来事、鮨屋久造の息子鉄三は、美男で腕っぷしの強いところから、いつの間にか町の与太公たちに兄分と立てられ得意になっていた。やくざをうたった浪曲が何より好きで先祖の魚屋久兵衛が、播随院長兵衛からその義侠心をほめた手紙を貰って、それが家宝になっていることなどが、鉄三の心を一そうあおっていた。それを心配したのが彼の恋人で料亭「千鳥」の娘清子だったが、鉄三は清子のいさめなどはてんできき入れなかった。そして町のボス権田のおだてにのせられて、彼が市会議員選挙に立候補することについての応援をたのまれた。「男を見込んで」といわれると、一も二もなく参ってしまい金やら家宝の手紙まで持ち出しての応援であった。しかし清子が心配した通り、選挙違反で留置所入りになった上、家宝の長兵衛の手紙は、実は、久兵衛の不身持ちを意見したものと判明。鉄三の「男伊達」の夢はさっぱりと醒めてしまった。そしてやがて、鮨屋の店で丸髷姿の清子に手伝わせて甲斐々々しく立働く鉄三の姿が見られることになった。
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