彼を殺すな

劇場公開日:

解説

製作は「こんな私じゃなかったに」の小倉武志が担当、雑誌『面白倶楽部』所載の梶野悳三の原作から「母のない子と子のない母と」の久板栄二郎が脚本を書き、「郷愁」の岩間鶴夫が最初監督に当ったが、病気のため、「緑の風」の原研吉がその後を受けてメガフォンをとった。撮影は「黄色い鞄」の小杉正雄。出演者は、「郷愁」の佐野周二、「緑の風」の高峰三枝子、「湯の町しぐれ」の高橋貞二、「坊ちゃん重役」の紙京子、「慟哭」の笠智衆、それに千田是也、小沢栄、信欣三の俳優座の人々その他大船の助演陣である。

1952年製作/78分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年9月11日

ストーリー

外房の漁港町には、土地のボスで民生委員の黒柳鉄五郎という人物が、「先生、先生」といって土地の人々の尊敬の的になっていた。娘房子も父を助けて、土地の人々のために働いていた。しかし新興土建屋古賀組が、この町を高潮から僅かに守っている砂丘の砂を工事のためどんどん切くずして運び出したとき、土地の人々が心配するのを、黒柳は何故かそしらぬ顔で見すごしていた。この土地へふらりとやって来た辰という男は、密猟船に間違って乗組み、監獄へ送られた男だったが、古賀組の暴挙を怒って黒柳にかけ合った。しかし彼が相手にしないと見ると、戦友の寺の和尚のところに居候をしながら、砂丘に砂利を運び、波除けの杭を打ちはじめた。村の子供たちが、その仕事を手伝いはじめ、次第にその数を増して行った。房子も辰の手伝いをはじめた。高潮がやって来たとき果せるかな村はその被害を受け、幸作という子は波にさらわれた。村人の声は高まったが黒柳は相変らず動かなかった。辰には別れた妻との間に正一という子があったが、その正一が彼を訪ねて来て病気になり入院した。その入院費と防波堤建設の金とを彼はどうにかして作りたいと思った。その時、父の家を出ていた房子が、日頃から自分を欲しがっている古賀に体を提供してその金を作ろうとした。しかし、思いがけなく黒柳が県の助成金五十万円を持って現われ、房子にそれを与えた。彼は古賀との醜い取引関係を一さい清算する決心をしたのだった。

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