甲賀の密使
劇場公開日:1960年5月18日
解説
「幽霊小判」の松村正温のオリジナル・シナリオを、「からくり雛人形」の西沢宣匠が監督した娯楽時代劇。撮影は大北治三郎が担当した。
1960年製作/73分/日本
原題または英題:A Gambler As I Am
配給:大映
劇場公開日:1960年5月18日
ストーリー
近江彦根の城主は老齢かつ病弱で、長子正康は賢明のきこえたかかった。一門の筆頭伊井主水正は側室腹の次子に家督を継がそうとし正康を発狂と発表して国境の鋸山に幽閉せんとした。道中、正康の許婚者である万里姫は、正康の側近鹿沼大学らと正康奪還をはかった。が、鹿沼は裏切者で一党は危機に陥った。その時、救いの手が現われた。万里姫とは乳兄弟の忍術者・名張竜之介である。正康と思われる囚人が水牢に幽閉されたことが分った。竜之介は女忍者まぼろしのお雪を伴い、その囚人を救い出した。が、頭巾をとってみると、それは竜之介の伯父由丸三郎治だった。万里姫が捕えられた。竜之介が救出したが、お雪は捕まり処刑されることになった。危機一髪、竜之介とその一党の甲賀頭巾が彼女を救い出した。琵琶湖に浮かぶ一小島。そこの法性寺という古寺に竜之介が現われた。閉じこめられていたくさり頭巾の男を助け出したが、その男は意外、鹿沼大学だった。彼はお雪を奪われた責任を問われたのだ。鹿沼はもう一人鷺と呼ばれる囚人のいたことを打ちあけて死んだ。竜之介らはその鷺、すたわち正康を遂に救出した。しかし、竜之介を慕っていたお雪は弾にあたって死んだ。万里姫を想っていた竜之介だったが、正康のすすめる仕官の道もことわって、彼はお雪の骨箱を抱いて甲賀の庄へ帰った。