賭場の牝猫 捨身の勝負
劇場公開日:1966年3月12日
解説
「賭場の牝猫 素肌の壷振り」でコンビの浅田健三と西田一夫が共同でシナリオを執筆、「殴り込み関東政」の野口晴康が監督した“賭場の牝猫”シリーズ第三作目。撮影もコンビの中尾利太郎。
1966年製作/80分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年3月12日
ストーリー
イカサマ・サイを作ったのがもとで、象牙彫りの名人父親の金次郎をヤクザに殺されてしまった雪子は、執念にかられて女壷振り師を志し、見事に父の仇を討った。こうしてヤクザ渡世に身を投じた雪子は、ある日父の親友だった郡司親分のもとへ身を寄せようと、ある田舎の温泉町に降りたった。だが、そこには雪子が以前とらえて警察につき出した三人組のスリが待ちかまえており、雪子はスリの親分でもある、舞坂興業の会長舞坂の前につれてこられた。舞坂の憎しみをこめたドスが光った。が、あわやというところで舞坂の客人山口がとめに入り、雪子は救われた。翌日、常楽寺に父の遺骨を納めた足で郡司組を訪れた雪子は、そこで偶然にも先日スリから助けてやった老人仙吉に出会った。舞坂興業が狙っていたのは、仙吉の懐中にあった郡司組が経営する劇場“新風座”の荷の契約書であった。このところ、舞坂の悪質な興行妨害に手をやいていた郡司親分は、思いがけない雪子の到来を歓迎した。が、ある日雪子の留守中、郡司親分が舞坂の客人山口に襲われ、次週興業に予定した歌謡ショーの契約書を奪われてしまった。郡司の伜光一は、父の落たんぶりを見かねて、雪子に助力を求めた。同情した雪子は舞坂に今後一切郡司組の邪魔立てはしないという条件で舞坂興業へ移った。だが、舞坂はそんな雪子を裏切って“新風座”乗っとり計画を押し進めていた。たまりかねた郡司は、単身舞坂興業の賭場にのりこみ、ことの決着を丁半博打に賭け、雪子の協力で勝負に勝った。このため雪子は舞坂の賭場を追われ、郡司は舞坂の子分に射殺された。そして郡司組の跡目は郡司の切なる遺言で、伜の光一に代って雪子が相続することになった。やがて“新風座”の歌謡ショーの日がやってきた。舞坂は、不動産屋浜村の娘江利子を人質に、歌謡ショーを妨害しようとした。雪子は再び、舞坂と江利子を賭けてサシの大勝負をし、見事勝負に勝ち、江利子をとりもどした。帰り道雪子は舞坂の追い討ちにあった。だが、雪子の心意気にホレた山口の助力で、雪子は救われ、舞坂はかけつけたパトカーに連れ去られた。郡司組もこれを機に解散し、雪子は、またあてどない旅に出ていった。