劇場公開日 1966年1月15日

「蜘蛛女のキス」刺青(1966) 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 蜘蛛女のキス

2025年11月8日
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鑑賞方法:映画館

谷崎潤一郎の「刺青」は高校生の頃読んだ記憶がある。このたび再読してみたが、この原作小説に登場する女には名前がなく、お艶の名や設定、殺人の連鎖に至るくだりは、もうひとつの原作「お艶殺し」に依っている。
谷崎の作品には奇矯な物語が多く、それに端を発して芥川龍之介との論争になったりしたようだが、本作もかなり剣呑なものだ。圓朝ものの落語なども同様のおどろおどろしい展開を見せるが、映像化されるとなかなか陰惨なものがある。何度も繰り返されると、なおのこと食傷気味になる。
刺青もので言えば、高林陽一の「雪華葬刺し」というさらなる強烈な作品もあった。

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梨剥く侍