「東京の闇に呑まれる人々と貰い忘れたお釣り」七人の刑事 終着駅の女 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0東京の闇に呑まれる人々と貰い忘れたお釣り

2020年6月26日
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鑑賞方法:映画館

上野駅発の東北行き列車のホームで、女性が刺殺された。目撃者を探す上野署の刑事たち。

駅員の証言で、女性の持っていた白いカバン探す過程でのやり取りや当時の駅で暗活する人物模様などもグランドホテル形式で手際良く交差させていく演出は中々の出来。

上野駅が舞台なので、東北からの出稼ぎ者たちの姿が多く描かれ、東京の闇に呑まれる人々が、多く登場する。

芦田伸介などのテレビ版の出演者の他に、目立つのは、大滝秀治(若い!けど老練感あり)の刑事が、聞き込みで、証言の再現して地面に這い蹲り、適当な目撃者に怒るところなども面白い。

笹森礼子が身を持ち崩して、連れ込み売春宿の女になっているなとの悲喜。
でも笹森礼子が居るなら、自分も行きたい。(オイ!)

全編を通じて音楽がないドキュメント的で結構リアルな作劇だが、権利の関係か?七人の刑事の有名な男性ハミングのテーマ曲が流れないのは、買い物してお釣りを貰い忘れた感じで、ちょっと残念だけど。

池袋の新文芸坐にて企画特集。
「昭和の刑事が見た風景」の二本立ての一本にて

ミラーズ