「侍三船…炸裂!野望の豪剣!!」侍(1965) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
侍三船…炸裂!野望の豪剣!!
DVDで鑑賞。
時は幕末―。水戸藩・天狗党は、幕府大老井伊直弼の暗殺を企てていた。尾州浪人新納鶴千代は手柄を立てて、二本差の立派な侍として立身するため、井伊暗殺計画に参加することを決めた。だがこの新納、自身も知らない出生の秘密があり…
岡本喜八監督が主演に三船敏郎、他東宝オールスターを配して製作した時代劇アクション巨編。桜田門外の変を題材に、ひとりの侍が抱く野望と過酷な運命が描かれました。
天狗党内に井伊直弼と繋がっている裏切者がいることが判明し、その容疑者として名前が挙がったのが、新納とその親友栗原。栗原の容疑が濃厚となり、首領より殺害を命じられた新納は、苦渋の決断で決行。死闘を制して栗原を斬りましたが、それは冤罪だったことが判明しました。首領に詰め寄った新納でしたが、大事を成して手柄を上げようとするなら、血も心も冷たくなければならないと言われてしまいました…
侍とは、冷血非情でなければならぬ存在なのか…? 苦悩の末、新納は友のために必ず井伊直弼の首級を上げると誓い、大吹雪となった端午の節句、雪深い桜田門外に向かう…
が、しかし、新納には彼自身も知らない出生の秘密が隠されていました。なんと云う凄絶な運命なのか…。野望の豪剣が狙った相手はまさかの…! 果たして"侍"とはなんなのか?
調布市に建設されたと云う桜田門外のセットで展開された、クライマックスの壮絶な乱闘シーンに心を奪われました。
吹きつける大雪の中を、敵味方入り乱れての激しい殺陣!
雪を染める鮮血!
唸る三船の野性味溢れる刀捌き!
縦横無尽なカット割り!
―どれかひとつでも欠けていたら成立していなかったであろう迫力に、度肝を抜かれました。
※修正(2022/03/07)