外人墓地の決斗
劇場公開日:1964年9月5日
解説
「座頭市千両首」の浅井昭三郎のオリジナル・シナリオを「眠狂四郎円月斬り」の安田公義が監督したアクションもの。撮影は「昨日消えた男」の本多省三。
1964年製作/77分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年9月5日
ストーリー
明治の中期、柔術に対して、新しく柔道が講道館に名をあげていた。青年柔術家西脇丈太郎は武道大会に出場するため、熊本から上京して来た。早速講堂館に現われた丈太郎は、同郷の親友笠原健二に会ったが、何故か、彼は丈太郎に冷めたい態度をとった。そんな二人を見た新聞記者沼田は、丈太郎の素質を伸ばしてやりたいと思った。その夜丈太郎は沼田のおごりで酒を飲んだ。酔った丈太郎は盛り場に出て、安宿の女を抱いていた。だが下村雪江というその女から、父の借金のかたに、身売りをする決心をしたと聞かされ丈太郎は有り金を置くと外に出た。東京では、熊井源助ら柔術家が柔道なにするものぞと気焔をあげていた。だが丈太郎は雪江にかかわったことから、盛り場のやくざ鬼頭組に狙われ、自分の腕を売った。その腕にほれた女興行師伍堂陽子は、鬼頭から借金の肩代わりをすると、丈太郎を外国人ボクサーとの興行試合に出させた。汚れた生活が、丈太郎の心も腕もむしばんでいった。各流派武道大会からしめ出された丈太郎は笠原、熊井らから罵倒された。大会の優勝者笠原と立合いたいという丈太郎の願いは、叶ったものの、沼田の審判は、笠原にあがり丈太郎は敗北した。やがて笠原は四段に昇段し、全日本武道大会の講道館代表となった。その頃、稽古にはげんだ丈太郎の技は、見事たち直っていた。笠原の敗北を恐れた熊井は、丈太郎に笠原を誘い出させ、闇うちをかける案を練った。だが反対にその罠に陥ちた丈太郎は強い制裁を受けた。墜落しきった柔術界を去る決心をした丈太郎は柔術大会で、笠原と相対した。得意の稲妻返しをきめた丈太郎へ、雪江、沼田、笠原らは賞讃を惜しまなかった。だが、計らずも、熊井から、挑戦状をつきつけられた丈太郎は、外国人墓地で、凄惨な死闘をくりひろげた。だがその急場を救ったのは、笠原の応援であった。