どろ犬のレビュー・感想・評価
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悪事に手を染めていく刑事
ベテラン刑事がかつて逮捕したヤクザの女と深い関係になり、それを悪党に知られたことで強請られる。
そして、警察情報のリークから始まる悪事に手を染めていき、破滅への道まっしぐら……という和製ノワールと言える映画😎
悪の道へ堕ちていく敏腕刑事を大木実、恐喝ワルを西村晃、その子分を田中邦衛、そして大木実と愛し合うようになる女を原知佐子が演じる。
本作では、一度悪事に手を染めると殺人も当然……という大木実が熱演しているが、彼を支える女=原知佐子がキュートな魅力をふりまいている。
観ている間はそれなりに面白いのだが、もう少しテンポ良く進めてくれる話だったら、途中の間延び感は感じなかったかも知れない。惜しい(^_^)v
監督は、本作がデビュー作という佐伯孚治(さえきたかはる)監督🎥
BS日本映画専門チャンネルの「蔵出し名画座」で鑑賞。
<映倫No.13450>
法の目を搔い潜る金持ちたち…そしてヤクザの執拗な強請りに、憐れベテラン中年刑事の倫理は壊れゆく・・・
自分が豚箱にぶち込んだヤクザの情婦に手を出してしまったやもめ暮らしの中年刑事が、それをネタに別のヤクザに情報提供を迫られる…。普通ならそのままお縄か、もしくはとことんまでアウトローに与していく展開ですが、この作品の主人公はそのどちらの道も固辞します。そんな彼が凶行に次ぐ凶行に及んだ心理は如何なるものであったか・・・
弱きを助け強きをくじき、常に清廉潔白で公明正大……主人公は駆け出しの頃からずっとそれを己の矜持としてデカを続けてきて、その愚直さゆえに一度は家庭を失い、次第に心が荒んでゆく中で出会った純な女性がヒロイン千代だったのでしょう。
この時期のハードボイルド作品はハリウッドのギャングものをそのまままねたような作品も散見され、銃でのドンパチがいかにも安っぽくて今観ると辟易させられるものも多いのですが、本作は墜ちていく一人の中年刑事の心情にフォーカスした造りになっているため、古さを感じず、西村晃さんのヤクザの怪演も手伝って最後までハラハラドキドキ観られました。
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