結婚の設計
劇場公開日:1963年12月1日
解説
梶山季之のラジオドラマより「高校三年生」の池田一朗が脚色、「島育ち」の八木美津雄が監督した恋愛もの。撮影は「危い橋は渡りたい」の平瀬静雄。
1963年製作/96分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1963年12月1日
ストーリー
東京エージェンシイのコピーライター藤堂冴子は、ミリオン自動車から発表される新車の宣伝プランを、同僚の美千代や大沢と担当している。ミリオン自動車宣伝部の山田忠彦は、冴子に思いを抱いているため、冴子達の仕事を長びかせようと、主任設計技師船田哲也を利用して無理な注文をつけていた。ある日、犬のテツを連れて散歩に出た冴子は、偶然伯父の呑海を訪ねたという船田に逢い、好意をもった。翌日千葉の工場を訪ねた冴子は、東京へ帰る車中で船田の科学的な鋭さにひかれ、自分の描く結婚の設計図と照し合わせてみるのだった。一方山田は昭和広告の社長森花江から、東京ミリオンの株の買占めを依頼された。背後に外国資本の買占めがあるのだ。この株で一もうけしようとたくらむ山田だが、美千代は、そんな彼を愛していた。冴子と逢って以来すっかり好意を寄せた船田は、冴子と何度かデイトを重ねていた。また山田も、冴子が忘れられず求婚したが、激しい拒絶にあい、去っていった。おっつけて船田からプロポーズされた冴子は、何故か自分の理想とする設計図にぴったりしないのに気づいた。仕事にきちょうめんな反面、人間味に乏しい船田についていけないと思ったのだ。一方美千代は山田が冴子を愛しているのを知っていながら、いつか必ず私を愛してくれる日が来ると信じて、山田と同棲していた。自然美千代に愛情をおぼえるようになった山田は、大量に買ったミリオンの株を三千万で処分しようと箱根に向った。美千代との結婚資金を作るためであった。山田の行動に不安をもった美千代も同行したが、買占め一味の偽装殺人が功を奏して、二人を乗せた車は断崖へと落ちていった。新車完成を機にアメリカに旅立つ船田は、冴子の意外な返事に悄然と発っていった。自分の恋愛に勇気を持ってたちむかっていった美千代の行動に賞讃の念を抱きながら冴子は自分の設計図が白紙に戻ったことを悔いた。が、若さと美しさを大切に新しい設計図を引き直そうと心に誓うのだった。