劇場公開日 1963年6月2日

「吉永小百合の可愛さと差別の露骨さ」伊豆の踊子(1963) 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0吉永小百合の可愛さと差別の露骨さ

2017年4月13日
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鑑賞方法:映画館

萌える

幸せ

悲しい

踊子と結婚したいから仲人を頼みたいと相談された大学教授の淡い恋の回想録。

未舗装の峠道、今となっては新鮮
撮影地は伊豆なのかな?道路の舗装も含めて人工的な物は砂利道くらいというのが。車が普及する前の街道はこんな感じだったのかなと、想像。

峠の茶屋の人のいい婆さんが旅芸人をあんなものと言う。高等学校、学生にはうやうやしい態度。差別意識と偉い人へのへりくだり方の差。現代は芸能人の地位が上がって、大学生は馬鹿の代名詞みたいになってしまったなあw

小百合がおぼこい。学生と一目で惹かれ合うが、薫は目も合わせられない、が一旦仲良くなると結構積極的。ちょこまか動き回って学生のためにあれこれしてやったり、小動物のような可愛さ。

学生が宿の風呂で一緒になった爺さんと部屋で碁をするハメになるが、その最中の会話がゲスい。去年かわいい16、7の踊子のお初をモノにしようとやり手ババアと交渉したが、折り合わず逃したとか普通に学生に話すセンス。差別意識とか人権意識とか、現代との差を感じる。

大坂志郎と兄弟役はちょっと歳が離れすぎでは?原作でも歳が離れている設定なのかな?どう見ても親子。

今でも潜在的にはあるけど、職業差別の露骨さと人権意識の低さがすごく感じた。

月野沙漠