都会の奔流

劇場公開日:

解説

赤城慧原作を小山崎公朗と「サラリーマン物語 新入社員第一課」の監督井田探が共同で脚色・監督したアクションドラマ。撮影は「横を向いた青春」の柿田勇。

1963年製作/81分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年2月3日

ストーリー

クラブ・シーサイドに潜りこませていた部下が変死体となって発見され、厚生省麻薬課取締官の藤崎はガク然とした。仇討ちを誓って奔走する藤崎には病身の妻と外国人商社に勤める娘の節子がいた。機密を守るためと家族の安全を計って、節子には保健所に勤めているといつわり続けてきたが、最近の節子はそんな父を不満に思うのだった。誘われてシーサイドのショウを見に行った夜、節子は出張中の父の姿を見つけてハッとなった。又数日後、母の容態を案じて保健所の父に電話したが、そんな人はいないと言われ不信の念を強めた。しかし、母は余計な節介をやくなという。藤崎の部下高村が、シーサイドのマダムエミが山田組からペイを仕入れているという情報を掴んだ。張り込みを続けて一斉手入れの日、だが父を探しに来た節子のためにみすみす逃がしてしまった。社長ロバートの秘書として節子は忙しく働いていたが、疲労を覚えるといつも注射してもらった。その頃、藤崎らはやっとペイのルートを掴んだ。ロバートから山田組やエミのところへ流れており、調味料に擬装して運ばれているという。数日後、父が見張っているとも知らず、節子は調味料の箱を運んでいた。その夜、節子ははじめて自分がペイの運びをしていたこと、今では麻薬中毒になっていることを知らされた。父と口論のすえ家を飛び出した節子は、それきり帰らなかった。翌日、麻薬課にロバートから電話があった。節子の命とひきかえに、彼等の国外脱出を見逃せというのだ。辞職を願い出た藤崎は単身ロバートの家に乗り込んだ。節子と抱き合い非を詫びると、かくし持った手錠をロバートの手に素早くかけた。凄絶な死闘の連続、間もなく警官隊がなだれ込み一味は逮捕された。母や父の真実の愛を知って、白い魔手に蝕まれた節子も高村の温かい愛の手によっていやされていくだろう。

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