惚れたって駄目よ
劇場公開日:1962年12月16日
解説
小松君郎と「北上川悲歌」の監督曲谷守平が共同で脚本を執筆、「サラリーマン物語 新入社員第一課」の井田探が監督した歌謡ドラマ。撮影もコンビの中尾利太郎。
1962年製作/77分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年12月16日
ストーリー
創立祭でわき立つ城南大学、校庭には初代総長の名文句を刻んだ胸像がにらんでいる。「青年よ色欲を抱くな。惚れたって駄目よ!」折しも忍術発表会では中島茂夫を始めとする面々が伊賀流忍術の極意を次々と披露、後援会長の佐原重工社長らの喝采を受けていた。茂夫は佐原家の書生だが、その夜佐原社長はすっかり上機嫌。子供のない社長は茂夫を養子にして社長の地位をゆずるつもりなのだ。しかし、茂夫は質実剛健、色気を忘れるとの佐原モットーがうらめしい。ここは山また山の伊賀山中、伊賀流忍術の達人百々地花子婆さんの号令のもとに、城南大の忍術研究会の合宿メンバーがハード・トレーニングの真最中。花子姿さんの妙技にたじたじとなった一同は、夜ともなればネオンの灯が恋しいと情ない表情だ。そんなある日、花子が所用で山を降りると入れ違いに銀座のバー“お弓”の美人軍が大挙押し寄せてきたので合宿の面々は大喜び。ところがこれは“お弓”のマダム弓江の陰謀で、佐原社長のマンモスバーに野心を抱く彼女は後継者の茂夫を攻略することが最高と考えたのだ。女たちは山の異変を知ってとって返した花子の術にあって退却したが、誘惑にのらなかった茂夫は花子のおめがねにかない、相手を金縛りにする極意を伝授された。京都の姉妹店の応援を得た美人軍は再び攻勢を開始した。中に清純可憐な舞妓雛菊、彼女こそはかつて貧乏学生だった佐原社長と相愛の舞妓との間に出来た忘れ形見だった。ところで、茂夫は運命のいたずらか、山奥で迷った雛菊を救って以来、二人はガッチリ結ばれてしまった。すったもんだの末、茂夫の大活躍がモノをいって万事うまく収まったのはいうまでもない。