風流温泉 番頭日記

劇場公開日:

解説

井伏鱒二原作「掛け持ち」より、「喜劇 駅前温泉」の長瀬喜伴が脚色「雲の上団五郎一座」の青柳信雄が監督した風俗喜劇。撮影は「放浪記(1962)」の安本淳。

1962年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年12月16日

ストーリー

内田喜十はヤマメの産地として有名な甲府の温泉旅館篠笹屋の番頭である。番頭といってもピンからキリまであって彼はいわばキリのほう、朝から晩までテンテコ舞いで好きな釣を楽しむどころではない。逗留中の釣好きな作家、井能先生と親切な女中のおしげさんと顔を合せることがなぐさめだった。ある日、貿易会社の社長と名乗る男が贅沢三昧をいってさんざんいばりちらした揚句に、連れの女給多美子を置き去りにしてドロンした。その上多美子の財布まで持ち逃げしたので彼女は宿賃のかたにここで働くことになり、代わりに年寄りの母を抱えたおしげさんは故郷に帰って行った。翌年の夏、伊豆の東洋亭に移った喜十はおかみの藤子に見込まれて支配人格まで出世し、井能先生にもバッタリ再会した。連日、いっぱいの浴客で賑わう豪勢な温泉旅館だけに、いろいろなエピソードにはこと欠かない。藤子はバーを経営している妹のあけみと喜十を一緒にさせ東洋亭をつがせようという気だし、芸者の染子にも惚れられて喜十はうれしい悲鳴を上げていた。ある日、東京のバーの女給の一行がマンハントの慰安旅行にやって来た。挨拶に出たマダムが甲府で女中になった多美子だったのには喜十も驚いた。井能先生から、おしげさんが母を亡くした後お嫁にも行かず篠笹屋に戻っていることを聞いた喜十は、人使いが荒いのは承知の上で篠笹屋に帰る決心をした。一番番頭や女中頭に追いまくられ、喜十は相変らず休む暇もなかったが、客がおしげさんに無態な行為をしたことから喜十の怒りが爆発して大喧嘩の揚句、篠笹屋をとび出してしまった。渓流の釣り場になごりの糸をおろした喜十の後に立ったのは、トランク一つを下げたおしげさんだった。

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