学生芸者 恋と喧嘩
劇場公開日:1962年9月1日
解説
「京子の初恋 八十八夜の月」の石田守良と「禁猟区」の椎名利夫が共同で脚本を執筆、「九ちゃん音頭」の市村泰一が監督した青春明朗篇。撮影もコンビの小杉正雄。
1962年製作/82分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1962年9月1日
ストーリー
美貌と美しい姿態を兼ね備えた八坂杏子は、頭が良くておまけに合気道五段の腕前をもつ××大学物理学科の学生だ。叔母夫婦がやっている赤坂の芸者置屋“有馬”に下宿してアルバイトに検番の芸者学校で実用英会話を教えたり、たまにはお座敷へ出ることもあり“学生芸者”と評判だった。ある日、学校帰りの地下鉄の車中で、偶然なことから東浩を知るが、モッサリ型の彼の第一印象はよくない。浩は、大学を出て考古学を研究しているせいか世の中の営みなど何もわからないカタブツと見られ勝ちだった。浩の父剛三は銀座で画廊を経営している画商で、神楽坂に小唄師匠のお蔦を、もう永いこと囲っていた。剛三は店の支配人三木のすすめで流行画家西郷の個展を開くことになり、浩が父の代理で西郷画伯と赤坂の料亭で逢ったが、西郷は浩より芸者玉丸のことが気になってならない。玉丸には、アルバイトに赤坂花街で人力車の車夫をしている池内春夫という恋人がいるので、西郷画伯をもんだいにしていなかった。そんなところへ、学生芸者の杏子が入って来た。浩も杏子もこの再会にびっくりした。それから数日して大学現役対OBの合気道試合の日--杏子は驚いた。OBの主将は何と浩だからだ。試合は主将同士の戦いとなり、浩と杏子との一戦になった。杏子の完敗に終ったが浩の男らしい態度に杏子はひかれるものを感じた。だが、杏子は浩と逢えば喧嘩ばかりしていた。一方、剛三はお蔦の家で高血圧のために倒れてしまい、浩は初めてお蔦の家に行った。そこで浩は二人の結婚をすすめ、剛三とお蔦を感激させるのだった。銀座の画廊はこんどは浩が経営することになった。杏子は留学生試験に合格。外国へ行くことになった。その出発の日--杏子を本当に愛していることを知った浩は、杏子を連れ戻しに飛行場へかけつけるのだった。