サラリーマン 権三と助十
劇場公開日:1962年1月28日
解説
「慕情の人」の田波靖男のオリジナル・シナリオを、「乾杯!サラリーマン諸君」の青柳信雄が監督したサラリーマン喜劇。撮影は「ベビーギャングとお姐ちゃん」の鈴木斌。
1962年製作/83分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年1月28日
ストーリー
通称権三、権田三郎は恵豊タクシーの模範運転手だが、行儀の悪いのが玉にキズ。助十こと助川十吉は本社教養部のおしゃれな青年である。客を拾うのが権三の仕事なら、運転手たちの身だしなみを注意するのが助十の役目。「うるさい奴だ」と思っても、服務規定に違反しているのだから、権三はあやまるほかはない。ガソリンスタンドの百合子に、権三は熱をあげている。助十も彼女が大好きだ。やがて、助十も百合子の父有馬営業次長のスイセンで、権三と同じ職場で働く身となった。いつも助十に痛めつけられていた権三ら運転手たちは、助十を飲み屋まつ葉に誘い、七色唐辛子のたっぷり入ったおでんや焼酎で乾杯した。さて、有馬は妻を亡くしてから百合子と二人ぐらし、まつ葉のおかみ藤子とは、いい仲だ。百合子に首ったけの権三と助十は、一ヵ月間の水揚げ競争で勝った方が彼女にプロポーズしようと誓い合った。一方、恵豊タクシーの大株主で鉄道会社の原田専務は、仁木総務課長とグルになって、会社乗ッ取りをたくらんでいた。いま使っているガソリンを全部近東石油のガソリンに切りかえようという闇取り引きだが、大岡社長のOKをとるには、信任厚い有馬を陥落させなければならない。近東石油の中島重役は酒と芸者で篭絡しようとするが、有馬は受けつけない。その夜、有馬は公金横領の容疑で警察に連行された。取り引きの席上、紛失した三十万円の紙幣が有馬の外套のポケットから発見されたのである。権三と助十は社長に直訴するが、門前払いをくった。が、大岡社長の依頼をうけた石原警部補の努力で、すべては明るみに出た。紛失した三十万円のカラクリは仁木の仕業であった。権三と助十、百合子、それにいまは有馬の妻となった藤子が、釈放された有馬を笑顔で迎えた。権三と助十は、百合子獲得のため、またもや戦闘開始である……。