幼馴染みというだけさ
劇場公開日:1961年9月10日
解説
「背広姿の渡り鳥」の田坂啓の脚本を「新人生劇場」の弓削太郎が監督したアクション・ドラマ。撮影は「泥だらけの拳銃」の石田博。
1961年製作/73分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年9月10日
ストーリー
飄然と港町に現れた島崎謙次は、雇ってくれる船を探し始めた。この港の沖合に汽船が沈んでいる。加山組が引き揚げ作業に当っているが、後から割り込んでその権利を横取りしようと企らむ峰村商事とが、醜い対立を続けながら今日に至った。海底五十尋は軽く潜れるという謙次は、そんな渦中に巻き込まれたくないと思う。が、峰村周三の娘梨枝が海中に落したスーツケースを拾ってやったのがきっかけとなって、峰村組に誘われた。しかし、峰村組の潜水長津田の顔を見ると、首を横に振った。シーナイフの名手である津田と謙次は前の港町以来、お互に虫の好かない同士なのだ。謙次は酒場で水産研究所の藤本先生と知り合い、採集を手伝うことになった。ある日、彼は海底で人魚のような女--ユリを見た。魅せられたように追う謙次の右腕をかすめてモリが光る。謙次が浮上した海面は加山組の作業現場で、ユリは加山雄助の姪であった。ユリの顔を見て謙次は思わず息をのんだ。幼馴染の仲で親同士も親しかったが、金魂を積んだ沈没船のことから憎み合うようになったのである。夏祭りの日、加山組と峰村商事の対立は遂に爆発した。謙次は行列の蛇踊りの棒を握って、乱闘の真只中に躍り込んだ。数日後、加山雄助が峰村の連中から、半殺しの目にあった。引き揚げ作業の期限は一カ月後に迫っていた。それまでに完了しなければ、権利は峰村の手に渡ってしまう。ユリは組頭を伴って謙次に助力を頼んだ。揉めごとの嫌いな謙次も断れなかった。沈没船の引き揚げには、船の近くの岩礁をダイナマイトで爆砕しなくてはならない。さらにその危険な作業に加えて、津田をはじめとする峰村側の妨害も予測される。だが、謙次はニッコリ笑って立ち上った。