兇悪の波止場
劇場公開日:1961年8月27日
解説
「高原児」の中西隆三の脚本を「明日に向って突っ走れ」の古川卓巳が監督したペストと麻薬をめぐるアクション・ドラマ。撮影は「天に代わりて不義を討つ」の萩原憲治。
1961年製作/65分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年8月27日
ストーリー
東京に近いある中都市--港の一隅で麻薬原料の取引きが行われていた。ボス黒柳の前に運び人の張が現われた。黒柳は子分の嶋尾と的場に合図した。翌朝、波止場に張の死体が浮き上った。警察医の高梨は、死因に不審を抱き、宮原病院の院長宮原と解剖した。それを新聞記者の白石が追っていた。死因はペストだった。殺害者も感染している危険があり、全市の交通を閉鎖した。白石のスッパ抜きで、ペスト発生は全国に報じられた。四十八時間過ぎた。患者はまだ現れない。黒柳一味は麻薬原料を刑務所仲間伊田を脅迫し彼の倉庫に運び、精製をはじめた。精製は終ったが、東京に運び出すことは出来なかった。その時、嶋尾が苦しみ出した。一味の石堂は嶋尾の情婦夏江と共謀して、宮原をおびき出した。宮原の娘由美は父が誘拐されたと高梨に知らせた。そこへ夏江が血清をバー“シスコ”に持って来てくれといって来た。店の前に高梨が着くと、夏江が的場に連行されるところだった。高梨は後を追った。倉庫では黒柳一味の監視下で、宮原が嶋尾の治療していた。おどりこんだ高梨は、殺せばみんなペストで死ぬといった。その頃、警察は高梨を必死に探していた。数時間過ぎた。夏江と的場が発病、嶋尾が死に、伊田は逃げようとして射たれた。それでも黒柳は血清を取りにやらせなかった。夜があけた。黒柳は高梨のスキをみて、麻薬を持って海に逃げた。高梨は水上警察のランチに乗って、沖の密航船を追った。密航船は張を運んで来たため、船内には無数の死体がころがっていた。黒柳も遂にあきらめて拳銃を捨てた。