新黄金孔雀城 七人の騎士
劇場公開日:1961年8月26日
解説
「新諸国物語 黄金孔雀城 (第一部・第二部)」「新諸国物語 黄金孔雀城 (第三部・完結篇)」の姉妹篇で、北村寿夫の原作を、結束信二・高田宏治が脚色し「若殿千両肌」の山下耕作が監督した三部作。撮影は「ふり袖小姓捕物帖 血文字肌」の脇武夫。
1961年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年8月26日
ストーリー
◇第一部 戦乱に明け暮れる都大路を行く一人の若い武士、太郎丸は孔雀老人と名乗る幻術使いから、若い者の手で平和を築くようにと一本の孔雀の羽根を渡された。尼寺に宿をとった太郎丸は、盗賊風魔の虎丸に襲われた。二人の激闘は勝負がつかなかった。二人はそこで奇妙な友情を感じあった。山塞へ帰る途中、虎丸も孔雀老人に会い太郎丸同様孔雀の羽根を与えられた。雲切城の城主、雲切玄蕃を父の仇と狙う鉄丸、花代の兄妹があった。更に雲切の行状を快く思っていない風丸があった。雲切の城下に入った太郎丸は、酒場で髭面の浪人熊丸と知りあいになった。その時、雲切の部下川瀬の渦彦と桃の木村の郷士、誠丸と、村長の娘小百合の間で争いが起った。渦彦は桃の木村を出奔し、村の古墳の秘密を玄蕃に売って仕官した。それを誠丸が裏切者とののしったためだった。渦彦の部下に囲まれるのをみて太郎丸が加勢した。乱闘の末、酒場の娘渚の手引きで太郎丸は急場を脱した。桃の木村には何百年もの間秘められてきた古墳がある。その地下には財宝がかくされてあった。雲切らの襲撃から宝を守るため、太郎丸は誠丸の案内で古墳に向ったが、渦彦らの襲撃の方が速かった。太郎丸達は地下室のごうに落ちこみ、激流の中に姿を消した。一方、風丸は熊丸と共に雲切城に忍びこんだが、一足先に父の仇を討たんと潜入した鉄丸兄妹が発見されたため、共に城兵に囲まれてしまった。 ◇第二部 危機に陥った鉄丸、花代、風丸、熊丸を救ったのは孔雀の奇跡だった。捕えられた渚が孔雀老人に励まされ、熊丸に預った孔雀の羽根に祈ったためである。激流に落ちた太郎丸は、虎丸に助けられた。ちょうどそんな頃玄蕃は、山賊の竜王から桃の木城の城主左馬頭の危篤を聞き桃の木城に攻め入った。左馬頭は絶命し、菊姫は領民を戦火から救うため降伏を決意した。内報した竜王に対して生捕られた三百人の女たちが引渡されることになった。そこへ、太郎丸、虎丸、誠丸が現われ女たちを救った。降伏を決意した菊姫のもとに、孔雀老人が現われ孔雀の奇跡をみせた。それをみた菊姫は玄蕃と戦う決意をした。女たちを救った三人も菊姫に協力を誓い雲切攻略の作戦をたてることになった。雲切の偵察に出かけた誠丸は城下で渚と小百合に出会ったが、竜王の輩下に捕えられてしまった。玄蕃はこの三人を囮りに太郎丸らを捕えんと、三人の火あぶりを公告した。太郎丸、熊丸、風丸の三人は、罠と知って救出にかけつけるが玄蕃は柱の上の三人に火をかけた。三人の姿は燃えさかる火焔の中に消えてしまった。 ◇第三部 猛炎に包まれた三人をみて皆は立ちすくんでしまった。その時、孔雀老人の言葉が空に響き渡った。その励しに鉄丸は敵中に飛びこんだ。奇跡は生れた。鉄丸の振りかざす太刀から七彩の虹が立ち猛火を鎮めた。これを見た太郎丸、虎丸らも躍りこんだ。菊姫も部下を激励して雲切勢を攻撃した。孔雀の奇跡に守られた太郎丸らの奮戦に雲切勢は敗退した。しかし太郎丸、虎丸、誠丸、熊丸、風丸、鉄丸の六勇士に、小百合、渚、花代の三人は、雲切を倒すべく孔雀の羽根が告げる西の国へ旅を続けることになった。その頃、西の国では、西国大将軍を頭とする玄蕃、竜王、渦彦らの盗賊団に荒らされ、領民は、恐怖と、飢餓に地獄の苦しみをうけていた。城主右近兵衛の館を訪れた六勇士は、討伐の協力を申し入れたが、弱気な城主は大将軍の報復を恐れてこの申し出を断った。六人はしかたなく、孔雀の羽根が飛んで行った火の山へ向った。苦しい道を進む一行は、半裸の山男たちに襲れ、太郎丸は一行とはぐれてしまった。太郎丸は熔岩の穴に落ちたのだった。そこで太郎丸は、焔丸という若者と知りあいになった。太郎丸が手にする孔雀の羽根をみて焔丸は味方だと信じたのだ。太郎丸を失ったまま一行はやっと西国大将軍をみつけることができたが、その大軍の前に手のほどこしようもなかった。その時、彼らの前に太郎丸が現われた。身を熔岩の中に投げ、孔雀の奇跡で帰って来たのだった。西国大将軍の命一下、大軍が怒涛の進撃を開始した。その時、すさまじい閃光と大音響が響き渡った。火の山が、大爆発を起したのだ。西国の大軍はみなみるみるうちに熔岩にのまれていった。太郎丸らは孔雀の奇跡を信じてその中に躍りこんでいった。