蒼い海流
劇場公開日:1961年4月9日
解説
船山馨の『野望』を映画化したもので、「白い肌と黄色い隊長」の堀内真直が脚色・監督した。撮影は「真昼の罠(1960)」の小原治夫。
1961年製作/90分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1961年4月9日
ストーリー
企業新論の記者高須は社長四宮信乃と関係を結んで、編集長の生駒を蹴落しその後任となった。畷製薬の不正を種に脅喝した彼は情報をもたらした同社の社員郷子とも関係していた。彼はまた伊丹財閥の社長伊丹の後妻麻子を通じて伊丹に接触しようとしていた。信乃の一人息子哲太郎は、母の生活を嫌って家を出、好きな拳闘で身を立てようとしていた。麻子は哲太郎のファンであった。ある日、高須は彼を尾行している私立探偵布施を捕え詰問した。布施は信乃に依頼されたのだという。高須は驚いたが直ぐ倍の金を払って布施を二重スパイとした。麻子は布施の大学時代の恋人であった。信乃に依頼されて高須の身辺を洗っているうちに布施は麻子の近況を知った。高須は伊丹の息子荘一が手がけている飛弾ダム建設工事に関する贈収賄の事実を掴み、奥伊豆の土地を無償で手放し汚職を闇にほうむることを条件に、伊丹コンツェルンの有力なポストを要求した。だが、壮之助に一蹴された高須は、後妻麻子を伊東につれだし、壮之助に戦いを挑んだ。検察庁が動き出し壮之助の秘書でありこの事件の鍵を握ると見られた狭山が召換された。高須は勝利を信じた。しかし、狭山が自殺したため事件はうやむやとなった。高須は麻子を脅しの種にしようと伊東へ飛ぼうとした。その時、事務所に生駒がピストルを持って現れた。二人の争いはピストルの暴発となった。生駒は倒れた。殺人を犯した高須は半分やけになっていた。伊東に着くと高須は有無をいわさず麻子を引張り出し車に乗せた。事情を知った麻子と高須の間には緊迫した空気が漂い、闇をつんざいて走る車体は異様な雰囲気につつまれていた--。