新夫婦読本 恋愛病患者
劇場公開日:1961年2月15日
解説
「時の氏神 新夫婦読本」の第二作で脚本・舟橋和郎、監督・枝川弘、撮影・秋野友宏と、前作「時の氏神 新夫婦読本」と同じ顔ぶれ。
1961年製作/75分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年2月15日
ストーリー
万年貧乏画家の松村謙一にはいろいろな悩みがあった。目下のところは、妻の敏子のアルバイト収入に頼っているのだが、経済的能力のない夫というものはとかくひがみがちになる。敏子の妹に久美子というハイティーン娘がいるが、評論家の八杉桂一郎と道ならぬ恋にふけっているという。謙一は敏子に尻をたたかれて八杉邸を訪問した。八杉が謙一の絵を買ってくれるというので、謙一は久美子の話を切り出せずに引きあげた。二点で五十万円。新聞広告に「美邸格安、五十万」という出物があった。アトリエに好適だ。ところがブローカーに案内されたのは連れこみホテル。広告は新手のコールガール斡旋だったのだ。思わぬ刺激をうけて帰った謙一にとって、その夜の敏子は魅惑的だった。が、邪魔者が出現した。同居している弟の宏二が急に結婚すると言い出したのだ。相手はバーに勤める和子なる女性。そのバーを訪ねた謙一は、和子が例の“美邸”の女なのに驚いた。何が何でも結婚はだめだと宏二に反対したので、兄弟喧嘩となった。謙一は一策を案じた。和子を呼び出し、月五万で美邸購入の交渉を始めた。二人がホテルに入ろうとした瞬間、シャッターの音がした。尾行した敏子が撮ったのだ。その夜の松村家は大騒動となった。が、事情が分って解決した。残るは久美子の問題。八杉邸を訪れた謙一は、八杉が久美子に接吻一回三千円でしぼられていたという真相を聞いた。別れたいのは八杉の方だ。久美子は八杉の息子とすでに意気投合していた。かくして、松村家には小康が訪れた。これで展覧会に謙一の絵が売れてアトリエでも建てられれば申し分ないのだが。