大地(1970)

劇場公開日

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解説

農民のあくなき労働エネルギーを描いたドキュメンタリー。脚本・監督は長年、新藤兼人の助監督をつとめてきた安作郎。撮影も新人の南文憲が担当。

1970年製作/86分/日本
配給:その他

ストーリー

農村の青年、小沢元。彼の母カネは生粋の百姓。元はどちらかというと、科学性を身につけた現代青年。二人はことしも米づくりと取り組む。元の友人、文造は妻をもち、元と同じく農業に精を出すが、経営の方針はどちらかというと、多角的で機転の効く男。カネは農薬に素手で触れても一向気にかけず、長年の勘が米づくりのすべてを支配する。しかし、現代の農薬がもたらす生命の侵蝕には抗せず、やがて内臓を犯され、この世を去った。この状態を見て同情した文造は元に嫁をとることをすすめる。母亡き現在の元の農業は、筆舌につくせないほど、孤立無援の状態に、追いつめられてきた。文造の仲人で二人の子どもを連れた芳子と結婚する元。やがて彼の新しい生活が始まった。田植が済むと、早速出嫁ぎに都会に出ていった。文造も出た。残された元の家庭では妻の芳子が、文造の家でも同じく妻の君子が水稲の管理に忙しくとびまわる。父のいない家庭に対しての反撥を子どもは学校や家での生活の中で、行動やことばで表わし示す。芳子は田んぼの仕事と子供たちとの人間関係に挟まれ、苦悩の連日を送った。わずかに芳子の苦悩をやわらげてくれるものは元からの便りのみ。その頃、芳子は元の子を胎んだのに気付くが、身体の調子が妊娠とは別に、おかしくなっていることも承知していた。しかし、医師の診察や入院、そして仕事を休むことを極度に恐れていた。このことは病気の進行を早め、その結果、農薬のために内臓と皮ふの疾患をひき起した。○秋の収穫期、元と文造は帰村した。だが、文造は百姓を辞め、村を出ることを決意していた。何をやっても思うような成果は上がらない。米の穫れ高も知れたもの。そして出稼ぎで身につけた都会の臭いは、その考えを急速に固めた。○元は、客土と呼ばれる土質改善の仕事をはじめる。暗渠も行なった。土質を改良するために営々として汗を流してきた父母そして祖父母。その足跡が掘り返された土中より姿を見せる昔の木々片に見られる。木々の肌色が、その努力の尊さを伝える。この事実を二人の子どもに凝視させる元。みつめる二人の子ども。元一家の米づくりへの努力は、日本という風土の中で、ことしもはじめられた。

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