あゝ野麦峠のレビュー・感想・評価
全3件を表示
2025年の物語
(日芸映画祭2025にて鑑賞)
イギリスの産業革命から百年近く遅れて一気に広まった日本の製糸工業を支えた女性の職工たちの過酷な労働を描いた50年近く前の作品です。大規模なセットを組んで、大勢のエキストラを投入し、オールスターキャストで描くという山本薩夫らしい大作です。
公開時には、昔の「歴史物語」として観ていたと記憶しています。
「この時代から一歩一歩前進を続け、改善された労働環境を獲得して来た」
と思っていたのに、2025年の今、改めて本作を観ると「知らぬ間に現在のお話になっているじゃないか」と気付かされ呆然とするのでした。
そして、今回改めて気づいた事。労働者階級の厳しい現実にカメラを向け続けて来たケン・ローチ監督が、自身の作品に演技未経験の実際の労働者をしばしば器用する理由を問われて、
「労働者の手と皮膚の映像はごまかせないから」
と述べていたのを思い出しました。確かに、大竹しのぶさんも、原田美枝子さんも、古手川祐子さんも手と皮膚は女優さんのそれでした。
0178 ダンがセブンでなかったらこうなっていたのか!
1979年公開
一途にお国のために働く女工たち。
令和ではとても映画にできませんやろな。
ただそういう時代を日本人全員が乗り越えてきた
という事実まで捻じ曲げるような奴らの思想には
絶対乗ってはいけないと思う。
時代の空間に抗えないことこそ人としての魅力だと感じる。
平和な世の中で机の上で当時の方たちを罵倒するような
卑怯なことはしたくない。
運命が結構残酷に女工たちにのしかかる。
このね、死ぬ前に故郷に帰りたい、という切ない想い。
もうね、涙なしには見られません。
友里千賀子ちゃん出てます。
綺麗どころ多くそれだけでも見る価値あり。
70点
県の人権啓発イベントにて
16mmフィルムでの上映会でした。
大竹しのぶ、原田美恵子、古手川祐子等、タイプの違う美人がそれぞれの生き方を見せてくれる。
冒頭の村々から娘たちを集めて雪山を歩くシーンには驚いた。雪山に人間の列が見えるほど人を使っていた。
森次浩司がとんでもない悪役っぷりを発揮しており、女工(女性工員)を機械の部品と言い切るシーンは使う側の本音が剥き出しで解りやすい。
金と人のどちらが大事なのか?命が軽かった時代を懐かしんで観るか?現代社会も変わらないと観るべきか………。
全3件を表示


