犬神家の一族(1976)のレビュー・感想・評価
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編集のテンポが速くて好き 口論になるシーンのカットバックが特に速い...
編集のテンポが速くて好き
口論になるシーンのカットバックが特に速い
たまにサブリミナル的に入るインサートショットが良い
これらの編集の特徴は、エヴァに影響を与えてるっぽい。そっくり。
庵野秀明自身、市川崑に影響受けてる事を公言してるし。
金田一シリーズで1番
録画
やっぱり、こちらの元祖?犬神家のほうが好き(監督同じなんだけど…)
家のショット、廊下からのショット、広間には一族が集まってる。そしてそこに微かな息づかいで寝ている老人。
「お父様、ご遺言は…」
空気の流れ変わる。それはもうゾクッとするほど
この作品を初めて観たときは怖くて怖くて薄目で観たりしたものです。初めて観た際の年は忘れましたが、私の中で生まれてきて初めて観た、ある意味ホラー映画だったのは間違いないです。
やはり金田一シリーズは犬神家の一族(1976年:石坂浩二)が上位にくる。
悪魔の手毬唄(石坂浩二)・八つ墓村(渥美清・古谷一行)も捨てがたいけどw
改めて市川崑は凄い!!
ということでDVD購入しますw
やっと
見ました。
あの有名なシーンが見れたのが嬉しいw
なんか笑ってしまったが。
このシリーズは死体の描写が良いですね。
凄く印象的。
ただ、動機などがシリーズ通して似たり寄ったりなのがね。
それでも良くできた作品でした。
市川崑監督の謎な遊び心に満ちている!
好きで一番回数を観ている(某レンタル屋の従業員の方に、「お客様この映画は前に……」ええ借りてます!何回も借りてます!と食い気味で答える位に)映画です。
子供の頃に観て、衝撃を受けました。原作者の横溝正史せんせ作品は、私の脳内の半分を占めています。
通常「スローモーション」って早い動きをしっかり見せたい手法だと思っていたのですが、何故か崑監督は「船の底に穴が開いていてテンパる金田一耕助」をスローモーションで観せてくれたんです。何故、テンパる金田一をそんなにしっかり見せたいんだ?そこ?そこなのか?謎です。
勿論、物語の中にも謎は沢山潜んでいるのですが、この意味不明な崑監督の拘り。子供ながらに、謎の深さにびっくりした映画でした。
この他にも謎なシーンが沢山あって。例えばラスト辺りで、高峰三枝子演じる松子姉さんが、「佐清、佐清に会わせてください!」って叫ぶシーンですが、急に静まりかえった「青木湖」がドーンとアップになります。そこに微かに木霊する、松子姉さんの声……。え?屋敷で叫んだ声が、湖まで木霊したでしょうか?謎です。
あの大広間で三人姉妹が言い合うシーン。Aが台詞を言った後に、Bが台詞を言うのが普通だと思うのですが、本作ではAとBが同時に台詞を言い合います。これで混乱の状態、緊張は強くなるのですが、子供の私は唖然としました。謎です。崑監督謎です。
本作はそんな崑監督の遊び心に満ちています。
あと、ストーリーがとても魅力的です。個人的に誰かが死んでクライマックスな映画には、否定的です。「死」って、遺された人達がそれをどう受け止めるかで、意味が変わってくると思うからです。主人公は難病の彼女が亡くなっても、直ぐに他の子見つけるかも知れないし。分かんないじゃん!って思ってしまう。
本作は、死んだ「犬神佐兵衛」の遺言によって、遺族達が右往左往し悲劇が起こる。遺族達は亡くなった人の真意を探ることで、死者にコントロールされています。亡くなってるんだから、真意なんか分からないのにね。そこに、強く惹かれます。
(大声で)大好きです!!!
作られるべくして作られた名作!
横溝正史が生んだ言わずと知れた名探偵・金田一耕助。
市川崑と石坂浩二のコンビで1976年に映画化した、邦画ミステリーの最高峰。
僕にとっては神映画の一つで、もう何度見た事か。
内容については今さら説明する必要もない。
多少カットされている部分はあるとは言え、さすがミステリー好きの市川崑(脚本の久里子亭はペンネーム)、実に上手くまとめている。
内容もさることながら、賞賛したいのはビジュアル面。
金田一耕助映画は本作以前にも映像化されていたが、1947年から1956年に作られた片岡千恵蔵による金田一耕助はスーツ姿の現代的な探偵で、1975年に中尾彬が演じた金田一耕助はジーンズ姿のヒッピー風。
よれよれの袴にボサボサ頭、掻くとフケが舞う…という原作のイメージ通りに映像化されたのは本作が初。
本作の金田一耕助像は後々にも多大な影響を与え、今日にまで至っている。
演じた石坂浩二もハマり役。
(尚、市川×石坂の金田一がブームの中、TVでは古谷一行が“横溝正史シリーズ”で金田一耕助を演じ、こちらも原作のイメージ通りでハマり役!)
かつて、本作を鑑賞した名匠ミロス・フォアマンは、うっとりさせられたという。
横溝正史が描いた日本特有のおどろおどろしく、哀しい世界観に、市川崑の華麗な映像センスが素晴らしいまでにマッチ。
怖ろしくも美しい…使い古されたこの言葉は本作の為にある。
ゴムマスクの下の大火傷、湖面から突き出た足…印象に残る映像作り。
素早いカット、遺産相続の席で登場人物たちが同時に喋るなど、市川崑ならではのユニークな演出も光る。
和服の裾が襖に挟まれヒュッと引っこ抜くお馴染みのシーンも勿論健在。
そして、大野雄二による哀切漂うテーマ曲も忘れてはいけない。伊福部昭の「ゴジラ」と並んで、日本映画史上に残る不滅の名曲!
以後シリーズ化されたが、やはり別格の一作!(叙情豊かな2作目「悪魔の手毬唄」も捨て難いが)
作られるべくして作られた名作!
2006年には市川崑自らの手でセルフリメイクもされた。
21世紀に市川×石坂の金田一耕助が見る事が出来、さらに贅沢過ぎる豪華キャストで、ご褒美のようなリメイク版。
正直賛否多いが、ラストカットだけは秀逸であった。
犬神家なんて名前からしてもう十分に何かある
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
一つの地域を牛耳る一族のどろどろとした裏側と、それに絡む殺人事件を不気味に描き出す。
複雑な家族関係の相続問題でお家騒動があって十分に揉めているのに、その後に次々に起こる猟奇的殺人と謎が、複雑で怪奇な雰囲気を作る。物語が進展するにつれてこの一族の世間離れした闇の部分が晒されていく過程も良い。この時代ならば本当に似たようなことが起こっていそうなのもいい。そして死後もなおわざと混乱を招こうとしたのではないかともとれる遺言を残した初代が大きな陰を落としていた。
最初から最後まで呪われた一族である。そもそも犬神なんて名前からしておどろおどろしい。物心つかない子供のころに観たときから、物語のことは覚えていなくても顔を覆った佐清さんのことだけはしっかりと心に刻まれたほど異様だったし、その異様さがまたこの作品を象徴している。
だけど顔と声を変えても記憶や性格や能力までは変えられないので、母親相手に他人に成りすますのは難しい。いい歳した女が自分は無傷のまま力づくで若い男を次々に殺していくのも難しい。犯罪の実現性は無理があって納得がいかなかったし、そのために誰が犯人かの予想もはずれてしまった。ただし死体の処理は犯人も知らないままに別人がやったというのは斬新だった。
見れば見るほどよくできた探偵映画
手形合わせの場面で古舘弁護士が珠世の胸元(ブローチ)をちゃんと見ていたり、ずらりと並んだ菊人形の端にはすでにすげ替えられた生首がチラと映っていたり、佐武の死体が発見されたあと自室に戻った松子が佐清(静馬)に「犯人はなんで死体の首をすげ替えるなんて手間のかかることをしたのかね」これを受けて喉元で笑う静馬など、一度目は見過ごしてしまうシーンも実は伏線であることがわかる。好き嫌いはあると思うが、苦ではないと思える方は最低3回は見てほしい作品。(時間があるなら10回かな。ちなみに自分は7回は見ている)本当によくできている娯楽作品だと思う。満点といいたいが、湖に浸かった佐清(静馬)の意味合いが原作と違うので、そこを引いてこの点。
30代の青春モノ
印象三つまでと言われて三つに収まらない感じがしたのでひとつに絞りました。
犬神家の一族は、石坂金田一の最初の作品だったと思います。
わたしはもうひとりの有名な人よりもこちらのほうが金田一として好きです。
それはあのとぼけた感じとかポンコツ感などが爽やかに伝わってくるからだと思っています。
金田一耕助は私の知る限りかなりのポンコツ探偵です。
それは原作でも一緒で、死体にびっくりして腰をぬかし、未然に防がなければならない殺人やそのトリックなどを終わってから「なんで僕はこんな大事なことにきづかなかったんだ」とかなんとか言いながら慌てふためきます。
シャーロック・ホームズなんかとは好対照です。
そこに青年としてはいささか年を重ねすぎた30代の遅い青春を過ごす金田一自身の魅力がそこはかとなくにじみ出る。
石坂浩二もこのとき30代です。
この事件のときの金田一を演じるにはちょうどいい年齢です。
20代というのを右も左もわからないまま駆け抜けて、たどり着いた30代。
小さな町の大きな事件に巻き込まれながら、そのユニークなキャラクターで最後には人気モノになる金田一。
しかし、彼は人知れずその小さな町を離れてしまいます。
この映画を見るまで一番好きで最高な石坂金田一は病院坂の首縊りの家だと思ってました
今でも一番好きはそっちですが、この作品が石坂版金田一の最高傑作ではないかと思っています。
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