劇場公開日 1976年11月13日

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「見るたびに新鮮な感動を覚える娯楽大作」犬神家の一族(1976) カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0見るたびに新鮮な感動を覚える娯楽大作

2022年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

有名な原作ものなのでストーリーは映画の評価としては触れない様にするが、数ある横溝作品の映像化の中では最も原作に忠実に作られていると思う。
もちろん個人の感想になるが、市川崑の数ある秀作の中でも出色の出来で日本ミステリー映画の金字塔である。

オールスターキャストで世界的にヒットしたオリエント急行殺人事件をヒントに、スター俳優達が端役から総出演しいるミステリー作品のため見るだけでも楽しめ、かつ配役だけ見ても犯人が絞れないような効果もしっかりとある。

撮り方自体も本当に面白く、ストップモーションとコマ送りの繰り返しで焦燥感を演出したり、残酷なシーンは白黒反転させる事で直接的な表現を避けつつ緊迫感を増幅。
中でも犯行シーンの振り返りで佐兵衛が松子に指示を出しているかの様に遺影をうまく使った描写は鳥肌が立つくらいのインパクトがあった。

この作品から常連となる坂口良子は当時21才と若さと美しさのピークでこの映画を見る時の楽しみの一つでもある。
女中(坂口) 「全部私の手作りなんです。何が一番美味しかったですか?」
金田一(石坂)「生卵」
最高の掛け合いw。

カツベン二郎